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筑波大、5Gで飛行中のドローンへ無線給電 30秒間途切れることなく送受電に成功
筑波大学の研究チームが、飛行中のドローンへ5Gでワイヤレス給電することに成功した。高度80cmでホバリングするドローンに30秒間ほぼ途切れることなく送受電できたとしている
筑波大学の研究チームは7月7日、5Gを使い、飛行中のドローンへワイヤレス給電することに成功したと発表した。高度80cmでホバリングするドローンに5Gのビームを向けることで、30秒間ほぼ途切れることなく送受電できたとしている。
研究チームは、直進性の高い28GHz帯(ミリ波)の5Gに注目。これまでも飛行するドローンへのワイヤレス給電実験の例はあったが、ミリ波の5Gを使ったのは今回が初だという。直進性が高いほど効率よく対象物に送電できるため、ワイヤレス給電の効率を高めることができるという。ドローン側に、5Gを直流に変換するアンテナ整流器を取り付けることで5Gを電力に変換した。
今回の研究では途切れない総受電には成功したものの、ドローンを駆動するには電力がまだ足りないという。研究を主導した嶋村耕平助教授は「今話題の“空飛ぶクルマ”やドローンは、バッテリーの重量によって飛行時間が制限されるため、地上からワイヤレスで給電する技術は注目が集まっている」とした上で「今後も給電効率の向上と送電の長距離化を目指す」とコメントした。
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