日本初のフリマアプリ「FRIL」創業者、今度は「家計簿アプリ」で起業 「日本一になれなかった悔しさ」ばねに(3/3 ページ)
日本発のフリマアプリ「FRIL」の創業者が、楽天を退社し、新たに「家計簿アプリ」で起業した。1月の「B/43」リリース後、初めての記者説明会で、事業概要と、再度起業した狙いを語った。
「時間はあるけどお金はない」 フリルの経験で見えたユーザーの特徴
事業化を決め、メインターゲットの設定で生きたのが、約7年間のフリマアプリの運営経験だ。堀井社長によると、フリルユーザーの特徴が「時間はあるけど、お金はない」という点だったという。具体的には、都内在住(主に郊外)の20代で、手取りが月20万円程度の層が多かったという。
独自調査の結果、支出にクレジットカードを使っているものの、後払いのため、残金の把握が難しいという意見や、銀行口座との連携ができないといった声があった。
当時、家計簿アプリは20種類ほどあったが、多くは銀行口座との連携が前提で、各サービスのUIも日々のキャッシュフローではなく、資産のポートフォリオを見るような設計のものだったという。
独自調査では、銀行とカード決済のアプリを往復して閲覧し、入出金をiPhoneのメモ帳に転記してマイナスにならないよう管理している人や、無印良品のパスポートケースに用途別に現金を分けて支出を管理している人の存在も判明した。
堀井社長は「銀行口座に直結する形の家計簿アプリは連携範囲が広すぎて、支出をアナログ的に管理してきた人たちの課題解決になっていない」と考え、ターゲットを設定した。
当面のビジネスモデルは「カード発行手数料」
現在はVISAからのカード発行手数料がメインの収入源。当面は発行枚数=ユーザー数の純増がマネタイズに直結する。今後は、生活費の使い道を増やして管理する機能の有料化を検討している。個人の生活費管理だけでなく、家族や仕事仲間の家計管理にも横展開し、将来的には資産運用アプリとしての展開も視野に入れているという。
現在はiOSのみの展開だが、Android版アプリも開発中だという。堀井社長は「年内のリリースを目指す」としている。
関連記事
- 日本初のフリマアプリ「FRIL」を楽天が買収 「ラクマ」と相互送客
楽天がフリマアプリ「FRIL」を買収。楽天の「ラクマ」と相互送客するなどし、CtoC事業を強化する。 - ラクマ、セブン-イレブンとPUDOから商品発送可能に 4月26日から
楽天グループは4月20日、全国のセブン-イレブンと宅配便ロッカー「PUDOステーション」でフリマアプリ「ラクマ」の商品を発送できるようにすると発表した。4月26日午後2時から利用できる。 - フリマアプリ「ラクマ」、販売手数料を値上げ 3.5%→6%に
楽天が、フリマアプリ「ラクマ」の販売手数料を2021年1月13日に変更する。これまでは商品価格の3.5%だったが、これを6%に引き上げる。 - 「これ偽物です」 楽天、「ラクマ」の出品に著作権侵害などを簡単に申告できる専用フォームを開設
楽天のフリマアプリ「ラクマ」に出品された偽造品に対し、権利者が申告するための専用フォームを楽天が開設した。これまでのメール申請から手続きを簡単にすることで、不正な出品の取り締まりを強化したい考え。 - 引っ越しで発生した不用品を回収、「ラクマ」に代理出品 楽天など3社が共同で開始
楽天が、引っ越しの際に発生した不用品を回収し、フリマアプリ「ラクマ」に代理出品するサービス「フリマ引越」を開始。GLIDEとカラエトも協力する。ユーザーが粗大ごみを廃棄するコストを抑えつつ、資源の無駄を減らす狙い。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.