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スパイウェア「Pegasus」は世界中の記者や人権活動家の端末にインストール済みとの調査結果

イスラエルNSO Groupのスパイウェア「Pegasus」が、世界中の多数の記者や人権活動家のスマートフォンに密かにインストールされていると、Wahington Postなどのメディアが共同調査の結果を発表した。NSOはこれを否定している。

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 米Washington Postは7月18日(現地時間)、世界のメディア企業16社、人権団体Amnesty Internationalと仏非営利団体Forbidden Storiesと協力して実施したイスラエルのサイバーテクノロジー企業NSO Groupのスパイウェア「Pegasus」についての調査「Pegasus Project」の結果を発表した。同メディアの記者を含む記者や人権活動家、企業幹部のスマートフォンにPegasusが不当にインストールされ、悪用されたとしている。

 少なくともCNN、Associated Press、Voice of America、New York Times、Wall Street Journal、Bloomberg News、Le Monde、Financial Times、Al Jazeeraの記者のスマートフォンにインストールされていたという。

 Amnesty Internationalのアニエス・カラマール事務局長は発表文で「Pegasus Projectは、抑圧的な政府がジャーナリストを沈黙させ、活動家を攻撃し、無数の命を危険にさらすための武器としてNSOのスパイウェアを選んでいることを明らかにする」と語った。

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 プロジェクトの結果、Pegasusがインストールされた可能性のある約5万台のスマートフォンの電話番号がリストアップされた。Washington Postは、この電話番号リストから、アラブ王室の数人、少なくとも65人の企業幹部、85人の人権活動家、189人のジャーナリスト、600人以上の政治家や政府関係者の番号を確認できたとしている。

 リストには殺害されたサウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の番号もあった。Amnestyによると、カショギ氏殺害の4日後には、同氏の婚約者、ハティージェ・センジズ氏のスマートフォンにもPegasusがインストールされたことが確認できたという。

 NSO Groupはサイバー戦争を専業とするイスラエルの組織で、各国の政府機関にスパイウェア製品を売り込んでいるとされる。Pegasusを密かにインストールされたスマートフォンからは、すべてのデータの抽出が可能で、音声通話も盗聴されてしまうとされている。

 これまでにもアラブ首長国連邦(UAE)の著名人権活動家アフメド・マンソール氏のiPhoneや、米Amazonのジェフ・ベゾスCEOのiPhoneからの情報窃盗の目的で悪用されたと報じられている。

 NSOは同日、「Forbidden Storiesによる報告は、情報源の信頼性と利益について深刻な疑問を提起する誤った仮定と裏付けのない理論に満ちている」とする抗議文を発表した。「以前説明したように、われわれの技術はジャマル・カショギ氏の殺害と無関係だ。(中略)NSOは、犯罪やテロ行為の防止で人命を救うことを唯一の目的として、法執行機関や政府の諜報機関に技術を提供している」としている。

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