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写真を「アニメの背景」に変換するAI 30秒で“水彩風”など4種類の背景を生成
AIベンチャーのラディウス・ファイブは、AIでアニメ用の美術背景を生成するサービス「Anime Art Painter」を始めた。写真をアップロードするだけで、アニメ風の美術背景を30秒程度で4種類生成する。
AIベンチャーのラディウス・ファイブ(東京都新宿区)は7月29日、AIを使って写真からアニメ用の美術背景を生成するサービス「Anime Art Painter」を始めた。写真をアップロードするだけでアニメ風の背景に変換できる。1枚の画像から4種類の背景を30秒程度で生成する。背景の生成は無料だが、画像のダウンロードは有料で料金は480円から。
大まかには、ディープラーニングを使い、写真のテクスチャ(質感)を簡略化。アニメやイラストに使われるような画風に変換する仕組みという。建物や夜景、山などの自然物、近距離で撮影した物体、屋内の背景など、物体に応じてテクスチャの変換や色合いを調整するという。生成される4種類の画像は、アニメでよく使われるような水彩風の絵を2種類と、べた塗りに近いアニメ風の絵が2種類。
同社は現在のアニメ業界について「制作が2年待ちといわれるほど行き詰まっている」と指摘する。一般的に、アニメは1話当たり200枚から300枚の美術背景が使われているが、業界では背景を描く人材が不足しているという。同社は「このAIがアニメ制作の工数改善の一助になれば」と開発経緯を説明した。
同社ではこれまでに「写真をゴッホやピカソの絵画風のイラストに変換するAI」や、「顔写真を30秒で似顔絵に変換するAI」「アニメを高解像度に変換できるサービス」などを提供している。
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