約660億円の暗号資産が流出か、「分散型金融」ブロックチェーンにハッキング
異なるブロックチェーン同士を接続して暗号資産を取引するプラットフォーム「Poly Network」がハッキングを受け、約660億円以上の暗号資産が外部に送金された可能性がある。
異なるブロックチェーン同士を接続することで、取引所を介さずに異なる暗号資産を交換できる“分散型金融”プラットフォーム「Poly Network」の運営チームは8月10日(現地時間)、ハッキングを受け、過去最大規模の暗号資産が外部に送金された可能性があると発表した。米Forbesによれば、被害額は米ドル換算で6億ドル(約660億円)以上という。
外部に送金された可能性がある暗号資産は、「イーサリアム」約2895ETH(約300億円)、「バイナンスコイン」約6620BNB(約270億円)、「ポリゴン」約50MATIC(約6300円)。この他、Forbesによれば米ドルとの相場を担保する「USDコイン」も約90億円分が流出したという。
Poly Networkはすでに送金先のアドレスや、ハッキングの原因となった脆弱性を特定済み。現在は特定したアドレスをTwitterで公開し、取引所を運営する事業者などに凍結するよう呼び掛けている。暗号資産事業を手掛ける香港Tetherのパオロ・アルドイーノCTOは呼び掛けを受け、公開されたアドレス上にある約36億円分の暗号資産を凍結したと発表した。
Poly Networkはハッカーに対し、盗み出した資金を返すよう求める声明も発表。「いかなる取引も賢い行動ではない。各国の法執行機関は(犯人を)重要な経済的犯罪者と見なし、追跡するだろう」などと警告している。
暗号資産の流出を巡っては、2018年に取引所「Coincheck」を運営するコインチェックから約580億円相当(当時)の暗号資産「NEM」が流出。過去最大(当時)の流出として話題になり、金融庁による規制強化のきっかけになった。
関連記事
- コインチェック、不正アクセスで仮想通貨「NEM」消失 約580億円相当
コインチェックが取り扱っている仮想通貨「NEM」の一部が消失したことが分かった。不正アクセスが原因で、5億2000万NEM(約580億円相当)が流出したという。 - コインチェック、580億円相当の仮想通貨「NEM」なぜ消失
約580億円相当の仮想通貨「NEM」を消失した、コインチェック(東京都渋谷区)が運営する仮想通貨取引所「coincheck」。1月26日夜の会見では、同社の和田晃一良代表取締役と大塚雄介取締役が経緯を説明した。 - コインチェックから盗まれた「580億円分のNEM」今どこに? ブロックチェーンで“一目瞭然”
コインチェックが運営する仮想通貨取引所「coincheck」から1月26日、580億円相当の仮想通貨「NEM」が盗まれた。このNEMは今、どこにあるのか――その“ありか”は実は、誰でも簡単にたどることができる。 - ブロックチェーンで何ができるの?→身近な活用シーンを体験できるWebアプリ登場
ブロックチェーン事業を手掛けるアクセルが、ブロックチェーン技術が人々の生活にどう役立つか体験できるWebアプリを公開した。Webブラウザからライブチケットの購入など4つの場面を体験できる。 - 消費者金融や暗号資産事業者を装うフィッシング詐欺が多発 SMSを使い偽サイトに誘導
日本サイバー犯罪対策センター(JC3)が、消費者金融や暗号資産事業者を装ったフィッシング詐欺や偽サイトが11月以降に確認されているとして注意喚起を促すレポートを公開した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.