「実質ゲームのオリンピック」 ネットを席巻した「RTA in Japan」が同時視聴者数18万人を集めるまでの6年間(1/2 ページ)
「もはやゲームのオリンピック」「五輪より興奮した」などと話題をさらったオンラインイベント「RTA in Japan Summer 2021」。もともとはどんな趣旨で始まり、どのように人気を集めていったのか。開催元に聞く。
「筋肉を鍛えた男性が『リングフィットアドベンチャー』最速クリアの世界記録に挑む」──8月15日、こんな挑戦が話題になった。Twitterでは「もはやゲームのオリンピック」「五輪より興奮した」などの声が相次ぎ、同日には「リングフィットRTA」など関連ワードが複数トレンド入り。ゲームクリアのタイムアタックを競うオンラインイベント「RTA in Japan Summer 2021」のフィナーレを飾った同プログラムは、最終的に約18万人の同時視聴者数を記録した。
RTA in Japan Summer 2021開催元の社団法人、RTA in Japanの理事を務めるNakaさん(@KeYnNaka)は「まさかここまで規模が大きくなるとは思わなかった」と話す。多くの視聴者を集め、ネットの話題をさらったRTA in Japanは、もともとはどんな趣旨で始まったイベントなのか。Nakaさんによれば「日本でもRTA(リアルタイムアタック)のプレイヤーに発表の場を作りたかった」という。
「得た収入は全てチャリティに」 米国の取り組みを参考に発足
RTAはゲームをどれだけ速くクリアできるか競う遊び方を指す。RTA in Japanは2016年から年2回、オンラインとオフラインで開催しているイベントで、応募で集めたさまざまなプレイヤーのRTAをゲーム実況サービス「Twitch」で配信したり、現地で観戦したりする。
8月11日から15日にかけてオンラインで開催したRTA in Japan Summer 2021では、リングフィットアドベンチャーに加えて「桃太郎電鉄〜昭和 平成 令和も定番!〜」「ときめきメモリアル」など70タイトル以上のRTAを配信した。
そんなRTA in Japanだが、もともとは米国のチャリティRTAイベント「Games Done Quick」(GDQ)を日本でも、との考えから生まれたイベントという。
GDQのようなイベントを日本でもやりたいと考えた理由は2つある。一つは、日本ではRTAプレイヤーが自身のプレイを披露する場所が少なかったためだ。
「これまで日本では、ニコニコ動画などに動画を投稿するくらいしかRTAを披露する場がなかった。オフラインでもイベントを開催し、よりプレイヤーたちが交流しやすい場を提供したかった」
もう一つの理由は、ゲームを通じた社会貢献だ。RTA in Japanでは、集まった“投げ銭”やグッズの売り上げなどを、税金などを除いて全て「国境なき医師団」などに寄付している。RTA in Japan Summer 2021からは、公式サイトに寄付用の窓口を設置。投げ銭を通さなくても直接寄付できるようにした。
「(参考にした)GDQは東日本大震災が起こった時にもイベントを開催し(集まった寄付金を)支援していた。こういった動きが日本でもできるといいなと思った」
Nakaさんによれば、RTA in Japan Summer 2021で集まった寄付金は約601万円。Twitchの投げ銭などは未集計なため、さらに上乗せされる見込みという。
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