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KDDI、5GとAWSのエッジ計算でVR映像配信 スマホ上に渋谷を3D再現
KDDIが自社の5G技術と米AWSのエッジコンピューティングを活用したVR映像配信の実証実験を実施。スマートフォン上に3Dで再現した渋谷の街並みを表示できることを確認した。実験で得た成果を今後、不動産業界などに活用する方針。
KDDIは8月17日、自社の5G技術と米Amazon Web Services(AWS)のエッジコンピューティングサービス「Wavelength」を活用したVR映像配信の実証実験を行い、スマートフォン上に渋谷を再現したVR空間を表示できることを確認したと発表した。
AWS Wavelengthは5Gなどのネットワーク内に組み込むことで、データ配信先のユーザーの近くの拠点でレンダリングや機械学習などを計算できるプラットフォーム。2020年12月、KDDIと共同で日本での提供を始めた。
実証実験では、渋谷の仮想空間を体験できる環境をAWS Wavelength内に構築。スマホ上の視点情報をネットワーク越しにAWS Wavelengthで受け取り、それを基に3Dデータを計算し、スマホへ配信した。レイテンシ(反応時間)の発生具合や、映像自体の伝送速度を計測したところ、低遅延で高精細な映像伝送ができることを確認できたという。
同社は今後、高精細な3Dデータ配信技術を不動産分野などで活用するとしている。
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