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CTC、AI用データの事前整理サービス開始 障害者が活躍「エンジニアと同等の技術水準」
「AI導入準備の8割を占める」とも言われるデータ整理を請け負うサービスを、CTCが開始。障害者を含むチームで、表記揺れや誤記などを整える。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は8月19日、データの成形や統合など、データ分析の事前準備を専門に行うサービスの提供を始めた。同社が金融業などから受注したAIやデータ分析の案件について、障害者雇用を進める特例子会社のCTCひなりが、表記揺れや誤記などを整える作業を行う。
データ準備は「AI導入作業全体の8割を占める」とも言われ、エンジニアの確保が課題になっている。新サービスは、ひなりの障害者社員と、障害者をサポートする社員のチームが作業することで、「定型的なデータの整形ならエンジニアと同等の技術水準」で提供できるという。
Pythonなどを使って表記を整える他、「お客様」と「顧客」など用語の名寄せや、全角・半角の表記ルール適用、重複した用語や異常値の削除――といった作業を行う。
ひなりでは、主に知的障害のある社員が、障害者をサポートする社員とチームを組み、Pythonによるデータ整形に2020年初頭から取り組んできたという。約1年の試行期間を経て品質が十分に高まったとし、本格的にサービスを始めた。
CTCは「障害者によるデータ準備作業が普及することで、IT分野での障害者の職域拡大にもつながる」とアピール。プログラミング業務はテレワークとの親和性も高いため、「出社が困難な人材のさらなる在宅就労にも期待できる」と述べている。
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