アボカドの食べ頃をスマホのカメラで評価 中京大学が深層学習技術利用でアプリ開発:Innovative Tech
深層学習によってアボカドの追熟段階を分類し、スマートフォンで撮影するだけで食べ頃を判断できるようになる。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
中京大学 濱川研究室の研究チームは、アボカドの食べ頃の見極めを支援する深層学習モデル搭載のスマートフォンアプリを開発した。撮影したアボカドの画像から追熟(収穫後に完熟させること)段階を3つのパラメーター(未熟、食べ頃、過熟)で自動評価する。
アボカドの食べ頃は一般的に、消費者が購入時や調理時に判断しなければならない。判断の指標としては果皮の色や質感、硬さなどが挙げられる。慣れた人であれば表面の色や握った弾力である程度までは食べ頃を判断できるが、色や形状などには個体差があり、正確な判断は容易でない。
今回のアプリでは深層学習による追熟段階分類モデルを採用。ユーザーが撮影したアボカド画像を入力に、色や質感などから追熟段階を分類した結果を出力する。
システムは2段階で構成される。第1段階は、物体検出器で入力画像内のアボカドの位置座標を取得しアボカドだけを切り抜く。第2段階は、切り抜いた画像からResNetをベースにしたモデルで追熟段階を3つのパラメーターに分類する。開発したアプリは追熟段階を分類するモデルのみを搭載するプロトタイプ段階だが、理想的な環境下において、約85%の分類精度を示したという。
研究チームは追熟段階を分類するための独自の訓練データセットを作成。これまでに約300個のアボカドを追熟し食べ頃に関するデータを収集したという。
スマートフォンアプリは、アボカドを撮影するだけで自動的に分析結果である3つのパーセンテージを表示する。
今後はさまざまな環境で撮影された画像にも適用できるようモデルの改良を行っていくという。
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