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おでこを電気刺激すると冷たく感じる VR HMDに応用も 電通大が実験Innovative Tech(2/2 ページ)

HMDでVR体験をしているときに熱さ、冷たさの感覚を装着者に与える新たな手法。

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 それぞれの電極に1mAの陰極刺激を加え、冷感が生じたかどうかと、冷たさの強さを0(室温)から9(氷を触ったような感覚)までの10段階で被験者に報告してもらった。今回用いたの電気刺激には振動や圧力の感覚が伴うため、振動強度と圧力強度も10段階で被験者に報告してもらい、冷感との相関関係を調べた。

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電気刺激装置を装着している様子

 実験では10人中9人が安定した冷感を得られたと報告。61個の電極のうち平均15.2個で冷たく感じた。一方で、冷感ポイントの数や場所、温度強度が人によって大きく異なることも確認した。

 電流の増加に伴って冷感が増加する傾向にある人が半分いたが、感覚が継続的に減少する傾向にある人、最初に増加した後に減少する傾向にある人も確認した。

 被験者のコメントによると、額への電気刺激によって生じる冷感は、氷を押し当てたときのような広がりのある冷たさではなく、針を押し当てたような局所的な冷たさだったという。

 この実験を通じ、額に電気刺激を与えると冷感が発生することが実証されたという。冷感ポイントの数や位置、電気刺激の条件によって個人差があること、冷感が発生するポイントも個人差があることも明らかになった。圧迫感の強さと冷感の強さの相関関係も確認した。

 電気刺激によって生じる冷感は、冷感に関係する有髄神経であるA-delta線維を刺激しているのではないかと研究チームは考察している。

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