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「ここはビルの何階?」が分かるスマホアプリ 気圧と位置情報で高さ推定 広告・警備に活用
位置情報サービスを手掛けるMetComが、建物内で今いる階を確認できるスマホアプリを試験提供する。スマホの気圧計のデータを基に高度を測る。ビルの警備や広告配信といった分野での利用も見込む。
位置情報サービスを手掛けるMetCom(東京都港区)は8月24日、ビルにいる人が今いる階を確認できるスマートフォンアプリ「垂直測位アプリ」(Android)のパイロット版を9月に提供すると発表した。GPSで取得した位置情報や気圧計のデータを基に、現在地の高さを算出するという。ビルの警備や、広告の配信といった分野での利用も見込む。
スマホのGPSで縦と横の座標を、スマホに搭載された気圧計のデータと、利用者の近くにある拠点の気圧の情報を比較することで高さの座標を取得する仕組み。誤差は2〜3m程度という。
まずは新宿区や渋谷区、港区など東京都の一部エリアで提供する。パイロット版は利用者がいる位置の高さを算出できる機能などを搭載。今いるフロアが何階か調べられる機能は、一部のビルでのみ提供する。
パイロット版の提供と並行し、パートナー企業と協力しての実験も行う。例えばセコムとはセキュリティサービスで垂直測位アプリが活用できるか検証する他、電通とは広告やクーポンの提供に同アプリが活用できるか検討するという。災害時の対応や、人流データの計測に役立てる方法も探る。
今後はiOS版や、垂直測位アプリの機能を他のアプリに組み込むためのソフトウェア開発キットも提供する予定。
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