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富士通、化学構造式で検索できる特許検索サービス発売 「5日かかった検索業務を1日で」
化学分野に特化した特許検索サービスを富士通が発売。AIを活用し、長い文章や化学構造式でも検索できるのが特徴。実証実験では、従来5日かかった検索業務を1日に短縮できたという。
富士通は9月8日、化学や金属、電気分野などの特許を検索できるサービス「FUJITSU Digital Laboratory Platform SCIDOCSS」の提供を、化学メーカーなど向けに始めた。数十行の文章や化学構造式でも検索でき、AIが名寄せ処理などをしつつ、関連度順に検索結果を表示する。実証実験では、従来5日かかった文書の検索業務が1日に短縮できたという。
化学メーカーなどが新材料開発時にアイデア発掘のために行っている、特許関連の文書検索を効率化するサービス。
同社の自然言語処理技術と、関連性を基に化学知識を連結したグラフ構造で管理するデータベースを活用した。キーワードで検索する際、AIが化合物の名称や通称の違いを名寄せしつつ、関連性が高く、重要度の高い情報から順に検索結果として表示する。
数十行の文章検索や、複数の名称がある化合物の検索にも対応した。キーワード検索と化学構造式での検索を組み合わせれば、検索精度が上がるという。
検索対象は、1994年1月〜21年5月に登録された化学、金属、機械、鉄鋼、非鉄金属、電気分野の特許約392万件で、IPA(国際特許分類)が「C」(化学)で始まるものか、2種類以上の化合物を含んだ文章。
料金は、SaaS版が年1000万円(税別、以下同)、パッケージ版が初期費用込みで1700万円。
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