“布団で寝ながらVR”特化のヘッドセット登場 11月にクラファン開始
スタートアップのDiver-Xが、寝ながらの利用に特化したVRヘッドセットを発表した。枕型の台にヘッドセットを取り付けたような形状で、あおむけになりながらVRを体験できる。11月6日にクラウドファンディングを開始。価格は最低で8万円程度を想定する。
スタートアップのDiver-X(東京都中央区)は9月13日、布団やベッドで寝ながらの利用に特化したVRヘッドセット「HalfDive」を発表した。枕型の台にヘッドセットを取り付けたような形状で、あおむけになりながらVRコンテンツを体験できるという。11月6日にクラウドファンディングを開始。価格は最低で8万円程度を想定する。
3200x1440ピクセル(両目で見た場合)の液晶ディスプレイを採用。リフレッシュレートは最低90Hzをサポートし、視野角は最大約134度。ヘッドセットには4基のスピーカーの他、ゲーム内の足音や銃声に合わせ頭部に振動を伝える「エキサイター」を搭載する。米ValveのVRプラットフォーム「SteamVR」に対応する。
コントローラーは両手・両足用を用意。足用のコントローラーは足首の傾き具合に応じてVR空間内でしゃがむ、立つといった動きを再現できるという。両手用コントローラーは9月末に詳細を発表する。
外付けのモジュールとして、風を起こすファンや、両手のコントローラーに接続するワイヤも提供する。ファンは蒸れの改善やゲーム内の風の再現を、ワイヤは巻き取り用のホイールに掛ける摩擦を調整することで、VR空間内でものに触れる感覚を再現する「力覚フィードバック」を可能にするという。
モジュールの開発に必要なプログラムはオープンソース化し、ユーザー自身で開発したり、サードパーティー製品を利用可能にしたりする予定。PCとは有線で接続する設計だが、無線接続用のモジュールも今後開発するという。
同社は、開発の経緯について「現行のVRヘッドセットは動き回りながら使用する想定で、小型・軽量であることが求められるため、ハードウェアが進歩しても解像度やトラッキング精度の向上程度しか見込めない。据え置きに特化することで、重さ・サイズと機能・快適性のトレードオフを克服し、性能と快適性を両立したい」と説明。
寝ながら使用する設計を採用した理由については「布団の中にいながら学校にいるのと同等の体験、職場にいるのと同等の生産が(VR空間で)出来るようになれば人類のQOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)は大きく向上するはずと考えた」としている。
クラウドファンディングでは返礼品として、エキサイターと両手用のコントローラーが付属する「ベーシックモデル」を8万円、各種モジュールやコントローラーを全てセットにした「フルセット」を12万円、焦点が変えられるハイエンドモデルを40万円程度で提供予定。Diver-Xはゲームや寝ながらの作業に加え、医療や介護での活用も見込むとしている。
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