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ランサムウェア攻撃で7億円超の特別損失、建設コンサル大手のオリエンタルコンサルタンツが発表
建設コンサルティング大手のオリエンタルコンサルタンツは、8月に受けた社内サーバへのランサムウェア攻撃により、2021年9月期の連結業績で約7億5000万円の特別損失を計上すると発表した。
建設コンサルティング大手のオリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区)は9月17日、8月に受けた社内サーバへのランサムウェア攻撃により、2021年9月期(20年10月〜21年9月)の連結業績で約7億5000万円の特別損失を計上すると発表した。これに伴い、当期純利益の予想を20億5000万円から14億5000万円へ下方修正した。
同社がランサムウェア攻撃を受けたのは8月15日と19日の2回。サーバ内に保管していた業務関連データが暗号化され、情報が外部に流出した可能性もあるとしていた。同社は流出した可能性のあるデータについて言及していなかったが、東京都や千葉県市川市はそれぞれ、同社に業務を委託していたことを発表。同社に貸与したデータも被害を受けた可能性があると説明していた。
同社は外部のサイバーセキュリティ専門家による指導の下、サーバをシャットダウンしてアクセスを遮断。すでに業務を再開しており、外部機関と協力の上、データの復旧作業を進めている。「復旧に向けた調査および対応に伴う関連費用」として約7億5000万円の特別損失を計上する。
合わせて売上高予想も下方修正した。復旧のための調査や対応の中で、一部の案件で納品時期が予定よりも遅延したのが理由という。
【修正履歴:2021年9月17日午後8時40分 一部表現を修正しました】
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