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新1万円札の肖像、7年前に記念硬貨になっていた お札の博物館でお金の歴史をひもとく:デジタルネイティブのためのフォントとデザイン[特別版](3/5 ページ)
新紙幣のデザインについて議論が活発だ。だが、見本画像だけでジャッジすることに違和感を覚えた筆者が行った先は。
博物館そのものは比較的コンパクトで、ビルの1階と2階が展示スペースとして公開されている。それでも展示内容は充実しており、紙幣という単一分野の展示物を扱った施設であり、技術的な面と歴史的な経緯を一通り学べる。
紙幣の原版や印刷技術を説明するための模型、重要文化財に指定されている日本最古の近代印刷機であるスタンホープ印刷機は見ものだ。製紙の材料となっている綿花や三椏(みつまた)の枝も実物が展示され、どんな原料が紙幣となるかも知ることができる。
太平洋戦争中から戦後にかけては、物資の不足や混乱のために低品質で粗雑な紙幣が出回ることになった。戦時体制における余裕のなさは、経済システムに欠かせない紙幣でさえも厳しい状況におかれていたことを知ると、現代における安定した通貨発行システムは平和であることの証左であると感じる。
世界各地の紙幣やその歴史、さらには切手についても展示が充実しているので、新紙幣に興味を持たれた方はぜひ見学してみて欲しい。入館料は無料。
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