カスペルスキー、第三者に偽のプレスリリースを配信されたと発表 配信会社は「ノーコメント」
カスペルスキーを名乗る偽のプレスリリースが、何らかの理由で配信された。JCNが運営するリリース配信サイト「JCN Newswire」などに掲載された9月27日付の文書に対し、文中に登場する各社は関係を否定している。
カスペルスキーは9月29日、同社を名乗る偽のプレスリリースが第三者により配信されたと発表した。対象のプレスリリースは、9月27日付にJCN(東京都港区)が運営するリリース配信サイト「JCN Newswire」から配信され、配信先サイトにも掲載された。しかし、この文書はカスペルスキーとロシアのKaspersky本社、その他Kaspersky関連会社が発表したものではなく、関係はないという。JCNはコメントを拒んでいる。
問題の文書のタイトルは「カスペルスキー インターネット セキュリティ:意識を高めてメールを寄せ付けない」というもの。不審なフィッシングメールの見分け方や実例を紹介した上で、違法なフィッシングサイトへの注意喚起を促す内容だった。末尾の会社名と担当者名は「カスペルスキー」となっており、同社の電話番号やメールアドレス、Webサイトへのリンクが掲載されていた。
29日午後4時時点で配信元のJCN Newswireに掲載ページは残っているが、「PAGE NOT FOUND」と改題され、文章を読むことはできない。しかし、画像とキャプションは残っており、確認できる状態だ。
掲載画像の中には、電気通信大学情報基盤センタースタッフのツイートもあるが、同センターは30日付で「当該記事とは関係がない」と声明を発表している。
偽プレスリリース掲載の経緯について、JCNに問い合わせたところ、担当者は電話に出た上でノーコメントを貫いた。
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