VR空間で電子書籍を「ページめくり」しながら読む メディアドゥが新サービス、ハンドジェスチャーにも対応
メディアドゥが、VR空間で、現実と同じようにページをめくりながら電子書籍を読める技術を開発した。まずは自社の電子書籍販売サービスと連携した「Oculus Quest」シリーズ向けアプリとして提供。今後は他社への提供も検討する。
メディアドゥは10月5日、VR空間で、現実と同じようにページをめくりながら電子書籍を読める技術「XRマンガ」を開発したと発表した。まずは同社の電子書籍販売サービス「コミなび」で提供している電子コミックを、VR空間で閲覧できるアプリ「コミなびVR」として、VRヘッドセット「Oculus Quest」シリーズ向けに展開する。今後は他の電子書籍プラットフォームへの提供も検討するという。
XRマンガでは「ビーチリゾート」「森林」「学校校舎」など全20種類のVR空間で、電子書籍を基にした本型の3Dモデルを、紙の本のようにページをめくりながら読める。本のサイズや位置は自由に変更でき、ページの明度や開く角度も調整可能。ページめくりを自動化する機能も搭載する。Oculus Questの機能を活用し、コントローラーを握らずハンドジェスチャーで“めくる”こともできる。
コミなびVRは、同社の電子書籍サービス「コミなび」のユーザー向けに提供。コミなびが提供している漫画のうち約8万冊をVRで閲覧可能にした。すでに購入している書籍であれば、VR空間ですぐに読める。対応していない電子書籍はサービス内のWebブラウザで閲覧できる。
XRマンガの開発にはゲームエンジン「Unity」「Unreal Engine」を活用。本やスマホを手に持ち続ける必要がないため手や腕が疲れず、ページをめくりながら読む紙の本ならではの体験と、文字のサイズや明度を変更できる電子書籍の特徴を両立できるのが強みとしている。漫画好きな人に加え、病気などで長時間姿勢を変えられない人の利用も見込む。今後はARデバイスへの対応も検討する。
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