「1000円の本が6万円で売れた」 高校生向け商売セミナーの“コミケ代行”に批判 主催社の代表が謝罪
2019年に開催された高校生向けのビジネスセミナーの様子をまとめた記事が「転売を容認している」としてTwitterで批判を集めている。記事では高校生が実行した「コミケ代行」のエピソードを紹介。18万円以上を稼いだとしている。
「限定100部の1000円の本がなんと6万円で売れた」「1週間で稼いだ金額は18万1379円」――そんな内容を含む記事がコンテンツ配信プラットフォーム「cakes」に掲載され、Twitterで批判を集めている。
該当の記事は、編集者の柿内芳文氏が2017年に設立したSTOKE(東京都港区)の「HS編集部」が10月5日にcakesで公開した「ぼくたち1週間で『18万1379円』稼ぎました! / チーム『マネーがあんまねー』」。
内容は同社が19年に主催したイベント「ハイスクールショーバイ!」の様子をまとめたもの。イベントでは、投資家や経営者が講師として20人の現役高校生に商売やお金について講演。参加した高校生は授業後、1人3万3000円の資金を基に商売を考えて実行した。
記事では、コミックマーケットで頒布されている限定品の購入代行サービスを、高額転売より安い値段で提供するとうたう「コミケ代行」を発案した高校生グループのエピソードを紹介。高校生は、「買いに行けない人の問題を解決したい」として、Twitterでコミックマーケットに行きたい人を探し出し、直接コンタクトを取って交渉。支払いや梱包、発送状況などもリスト化して管理していたようだ。
このリストを基に3人分の資金9万9000円を使って限定品を購入。最終的に28万5210円を売り上げ、最終利益は18万円を超えた。中には1000円の本が6万円で売れたケースもあったという。
記事によると、イベントに参加したDMMの亀山敬司会長は、この高校生グループの発表について「今回のお題にふさわしい、商魂たくましいチームだった。資金を少ないリスクで有効に使うだけでなく、貪欲に最後まで商売してて面白かった。何よりこの行動力はすごい」と発言したという。
同記事を巡り、Twitterでは「コミケのサークルさんや作家さんはブチ切れないのかな?」「突っ込みどころが多い」と批判の声が上がっている。
該当の記事は10月11日午後6時30分の時点で削除済み。柿内氏は午後6時ごろ、Twitterで「優勝した学生チームが行ったコミックマーケットでの商売はコミックマーケットの理念にそぐわない行為であり、参加者が長い時間をかけて築き上げている場を踏みにじる行為だった」「本来であれば生徒を監督すべき立場にありながらその事を怠ったことは私の責任であり、ここに深くおわび申し上げます」と謝罪した。
【追記:2021年10月11日午後22時20分 一部表現を追記しました】
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