「Call of Duty」のカーネルレベルのチート対策「RICOCHET Anti-Cheat」始動
人気ゲーム「Call of Duty」でのチート行為対策「RICOCHET Anti-Cheat」が発表された。年内に「Warzone」と「Vanguard」に適用される見込みだ。サーバ側の機械学習アルゴリズムやカーネルレベルのドライバで構成される。
ゲーム大手の米Activision Blizzardは10月13日(現地時間)、人気ゲーム「Call of Duty」の新たなチート(不正行為)対策システム「RICOCHET Anti-Cheat」を発表した(「ricochetは跳弾という意味)。年内に「Warzone」と「Vanguard」に適用する計画だ。
RICOCHET Anti-Cheatは、サーバ側の機械学習アルゴリズムを含むツールと拡張機能、プレイヤーがインストールする必要のあるカーネルレベルのドライバで構成される。Activisionはカーネルレベルのドライバについて「PC上のソフトウェアとアプリを監視、管理するための高レベルのアクセス権を獲得する」と解説した。「ゲームとのインタラクションの処理を行い、ゲームを(不正に)操作しているかを判断する」。
こうしたドライバにはプライバシー侵害の懸念がつきものだが、Activisionはドライバはゲーム実行中にのみ動作するとしている。
同社は「コミュニティのために、ゲーム体験を台無しにしようと企むチーターと戦い続ける」が、このシステムでチート行為を撲滅できるとは思っておらず、プレイヤーにも報告ツールを通じての協力が重要だと語った。
Call of Duty:Warzoneではソフトウェアを使ったチート行為がまん延し、Activisionは2月、6万ものカウントを停止したと発表した。
同社は新システム発表の前日、公式Twitterでチーターに宣戦布告するようなツイートを投稿し、システム発表を予告した。
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