Twitter、AIバイアス調査結果 政治家のツイートはなぜか右派優勢
Twitterは「ホーム」タイムラインの推奨アルゴリズムのバイアス調査結果を発表した。政治的コンテンツの場合、右派の方が左派よりも増幅されていることが判明した。原因の特定は困難だが、改善の必要があるとしている。
米TwitterのMETA(機械学習の倫理、透明性、説明責任)チームは10月21日(現地時間)、「ホーム」タイムラインの推奨アルゴリズムで生じるバイアスについての調査結果を発表した。5月には画像の自動トリミングバイアスについての調査結果を発表しており、今回は政治的なコンテンツの推奨に偏りがあるかどうかという調査だ。
Twitterのタイムラインは、2016年から逆時系列タイムラインと、推奨アルゴリズムがユーザーにとって重要と判断したツイートを優先的に表示するホームタイムラインのいずれかを選べるようになっている。
今回の調査では、選出された政治家(日本の場合は衆議院議員)によるツイートおよび報道機関からの政治コンテンツに関して推奨アルゴリズムが偏った増幅をしているかどうかを調べた。
調査に使ったのは、2020年4月1日〜8月15日の数百万件のツイート。
調査の結果、政党にかかわりなく、アルゴリズムによる増幅が見られた。調査対象の7カ国の、ドイツを除く6カ国で、政治的右派のアカウントによるツイートの方が、政治的左派によるツイートよりもアルゴリズムによって増幅されていた。報道機関のツイートも同様だった。
「この結果は人とプラットフォーム間の相互作用の産物であり、増幅の理由を特定するのは非常に難しい」と、METAチームの責任者、ラマン・チョードリー氏は語る。理由は不明でも問題を特定し、不公平を軽減するのがMETAチームの使命だとしている。「ホームタイムラインのアルゴリズムによる悪影響を減らすために変更が必要であれば、その判断のためにさらなる根本原因の分析が必要だ」
Twitterはそのために、外部研究者に調査に使ったデータセットを利用できるようにしている(ユーザーのプライバシー保護のため、完全な生データではない)。
「この調査結果を共有することで、右翼的なバイアスがかかっていることについての多様な仮設を検証できることを願っている」(チョードリー氏)
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