サム・アルトマン氏、虹彩スキャンで暗号通貨を提供する「Worldcoin」立ち上げ
OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏の新興企業Worldcoinが新しい暗号通貨「Worldcoin」構想を発表した。「すべての人間に平等に暗号通貨を提供する」ために、虹彩スキャンに基づく数値コードを使う。虹彩スキャン用独自ハードウェア「Orb」で既に10万人以上の虹彩をスキャン済みだ。
米Y Combinatorの共同創業者でOpenAIのCEO、サム・アルトマン氏が共同創業した米新興企業Worldcoinは10月21日(現地時間)、「地球上のすべての人間に提供する新しいグローバルデジタル通貨」構想を発表した。
社名と同じWorldcoinと名付けられた暗号通貨はイーサリアム上に構築されており、オープンソース化され、分散化され、公平に分配されるという。「インターネット経済によって推進される、より統一された公平な世界経済を推進するための取り組み」。
すべての(botではなく)人間に平等に無料の暗号通貨を配布するために、本人確認用の虹彩スキャンシステム「Orb」を開発した。スキャンした虹彩データを一意な短い数値コードに変換し、この数値コードと引き換えにWorldcoinの無料シェアを提供する。ユーザーはアプリで生成したウォレットで暗号通貨を受け取る。この数値コードは暗号化され、ユーザーのウォレットやトランザクションにもリンクされない。
Worldcoinの使命は、「公平に広く分散する暗号通貨を構築することで、すべての人に平等な経済的機会を提供し、すべての人類に実用的な利益をもたらすこと」という。
2019年に立ち上げ、ステルスモードで活動してきた同社は、既に12カ国で10万人以上の虹彩をスキャン済みという。
年間5万台以上のOrbを製造する予定で、2023年までに10億人のユーザー獲得を目指す。
同社は声明文で「このようなことはこれまでに行われたことがなく、結果は不確実だ。だが、われわれはテクノロジーによって、政府でさえできなかったことを実現できるという考えに取りつかれている。それは、個人のエンパワーメントと機会の平等を世界規模で高めることだ」としている。
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