メルカリ、自社物流網を構築する新会社「メルロジ」設立 メルカリポストなど起点に
メルカリが、物流サービスの企画開発、運営を手掛ける完全子会社「メルロジ」を設立した。効率的な物流網を自社独自に構築し、これまで配送業者に頼っていた作業をメルロジ側で負担。新サービスのリリースなど顧客体験の向上を目指す。
メルカリは10月28日、物流サービスの企画開発、運営を手掛ける完全子会社「メルロジ」(東京都港区)を設立した。メルカリが持つデータを活用した効率的な物流網を自社独自に構築し、これまで配送業者に頼っていた荷物の集荷や仕分け作業の一部をメルロジ側で負担。梱包なしで出品できるサービスのリリースなど顧客体験の向上を目指す。
代表取締役CEOにはメルカリの野辺一也氏が就任。資本金は1億5000万円。全国1000カ所に設置している集荷ボックス「メルカリポスト」や、実店舗「メルカリステーション」など、メルカリが持つ顧客との接点を活用。フリマアプリ「メルカリ」の取引データから荷物の量が多い地域を特定するなど効率的な物流システムを構築する。自社で倉庫やトラックを保有せずパートナーとの連携で実現するとしている。
物流網の構築に伴い、メルカリポストは2024年までに8000カ所まで設置を拡大。繰り返し使える梱包材の導入や環境負荷対策などにも取り組む。将来的には、メルカリ内でネットショップを開設できるサービス「メルカリShops」の出品者向け配送サービスや、他社ECサイト商品の取り扱いなどのサービスも提供するとしている。
新会社設立の理由についてメルカリは、メルカリでの流通総額の拡大に伴い、日本全体の年間宅配便取り扱い数のうち5〜10%、コンビニエンスストアでの集荷のうち約80%をメルカリの荷物が締めるまでに拡大。郵便局やコンビニにおける発送・集荷時のオペレーション負荷が高まっていることを上げている。
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