「正規表現一覧表がパクられた」――DeNAのRPAサービスで個人ブログからの無断転載が発覚 取り下げに
「自分のサイトの正規表現一覧表がパクられた」──DeNAが運営するWebサイト内で、自分が作成した表が無断転載されているというツイートが物議を醸している。DeNAは指摘を認め、掲載を取り下げた。
「自分のサイトの正規表現一覧表がパクられた」──DeNAが運営するWebサイト内で、自分が作成した表が無断転載されているというツイートが物議を醸している。投稿者で、個人でWebサイトを運営するむらしゅん(@murashun)さんは10月30日、DeNAのRPAサービス「Coopel」で、自身のブログで掲載した図表と全く同じものが掲載されているのを見つけたという。
ツイートされた画像には、むらしゅんさんが作成したという正規表現一覧表と、同じ文言や順番で説明していることや、具体例については一部をCoopelに置き換えて表現していることが確認できる。むらしゅんさんの運営するWebサイトには、同サイト内の著作権について説明するページに設けており、転載許可については別途問い合わせをするよう提示していた。
むらしゅんさんによると、この正規表現一覧表を作成したのは2019年2月15日という。Googleで自身のページの順位確認のため「正規表現」と検索したところ、画像検索にてCoopelに掲載されている図表を発見。その内容が自身の作成したものと同一であったため、無断転載が発覚したと説明する。
同氏はDeNA側に無断転載を指摘。Coopelの責任者から直接連絡があり、指摘した事実を認め、該当ページの一覧表を削除したという。ただし、Coopel内の一覧表が画像データであったことから、Google検索に補足されないよう意図的にコピーした可能性も考えられるとむらしゅんさんは指摘する。
DeNAでは同社が運営していたWebメディア「WELQ」に信ぴょう性の低い記事を掲載していた問題で、社内のチェック体制の強化を宣言していた。同氏はそれが有効に機能していないとして是正処置、再発防止をDeNA側に要請。DeNAからは「再発防止策としてルールの周知・啓発を徹底する」と返答があったという。
この件について、DeNAに問い合わせたところ「10月30日に指摘を受け、掲載内容を確認した上で31日に掲載を取り下げた」と対応の経緯を説明。WELQの件で強化したチェック体制が機能していないのではないか、という指摘には「チェック体制はしっかりと機能していた認識であり、その上で今回の問題が生じたと捉えている」と話す。
「今回の問題が生じた原因などは現在究明中。迷惑を掛けたユーザーには謝罪をしており、引き続きコミュニケーションを取って対応を進めている」と回答した。
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