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踏切内に人がいないか確認するAIシステム、西武鉄道が試験導入 異常あれば停止信号を発信
西武鉄道が、AIと画像認識技術を活用して踏切内に人がいないかを確認するシステムを開発し、12月から試験導入する。カメラで撮影した踏切内の映像を分析し、異常があれば接近車両に停止信号を示す。
西武鉄道は11月18日、AIと画像認識技術を活用して踏切内に人がいないかを確認するシステムを開発し、交通量の多い3カ所の踏切で12月から試験導入すると発表した。カメラで撮影した踏切内の映像を分析し、異常があれば接近車両に停止信号を示す。
2022年度以降の本格導入に向け、踏切ごとの状況に合わせて「踏切滞留AI監視システム」か「3D画像解析踏切監視システム」のいずれかを導入する。
踏切滞留AI監視システムは、暗い場所でも使える低照度カメラで踏切を撮影し、物体検知AIと骨格検知AIを併用して踏切内に残った物体を検知する技術。2種類のAIを活用することで高精度かつ迅速に検知できるとしている。設置場所は池袋線の池袋第9号踏切と所沢第3号踏切。
3D画像解析踏切監視システムは、2つのレンズにより3D映像を撮影できるカメラで踏切内を撮影し、画像解析システムで人を検知する技術。3D映像のため物体の位置や大きさなどを認識でき、光や影などを人として誤検知しないため環境に左右されず高精度に検知できるとしている。設置場所は新宿線井荻第2号踏切。
西武鉄道によると、踏切内に人が取り残された場合、これまでは居合わせた人が非常ボタンを押す以外に異常を接近車両に伝える方法がなかったという。認識精度が高く、設置が比較的簡単な今回のシステムを導入することで踏切の安全性向上を目指す。
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