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Meta(旧Facebook)に対し、英競争規制当局がGIFアニメのGIPHY売却を指示
英競争規制当局のCMAは、Meta(旧Facebook)に対し、2020年に買収したGIPHYの売却を指示した。この取引がユーザーと広告主に害を及ぼす可能性があるため。Metaは控訴を検討している。
英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は11月30日(現地時間)、米Facebook(現Meta)に傘下のGIFアニメコミュニティGIPHYを売却するよう指示すると発表した。(FacebookによるGIPHYの買収が)SNSユーザーと広告主に害を及ぼす可能性があるためとしている。
CMAは、調査の結果、Facebookが競合他社のGIPHYへのアクセスを制御することで、SNS市場での支配力をさらに高める恐れがあると判断したという。
Facebookは2020年5月にGIPHYの買収を発表し、同年中に取引を完了した。CMAは買収発表後、この取引に関する調査を開始している。
CMAによると、GIPHYは独自の広告サービスを提供していたが、Facebookが買収時にこのサービスを終了することで、潜在的な競争要因を排除したという。
CMAは、FacebookにGIPHY売却を指示する理由として以下の3点を挙げた。
- FacebookがGIHPYを買収することでディスプレイ広告市場の潜在的な競合を排除した
- Facebookは競合(TikTok、Twitter、Snapchatなど)のGIPHYへのアクセスを制限することで市場支配力を高める可能性がある
- FacebookがGIPHYを売却すれば、何百万ものSNSユーザーを保護し、デジタル広告の競争と革新を促進できる
Metaは英BBCなどに対し、「控訴を含むすべてのオプションを検討している」という声明文を送った。
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