米NASDAQ、取引市場をAWS上へ段階的に移行 2022年から
新興企業を中心とした証券取引市場を運営する米NASDAQは、証券取引市場を段階的にAWS上に移行していく予定であることを明らかにした。金融犯罪対策、データ分析、取引市場基盤のソフトウェアソリューションにおいても協力していくという。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「[速報]米NASDAQ、取引市場をAWS上へ段階的に移行。2022年から開始すると発表。AWS re:Invent 2021」(2021年12月1日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
新興企業を中心とした証券取引市場を運営する米NASDAQは、2022年からオプション取引市場の「Nasdaq MRX」を皮切りに、証券取引市場を段階的にAWS上に移行していく予定であることを、AWSのイベント「AWS re:Invent 2021」で明らかにしました(Nasdaqのプレスリリース)。
NASDAQは2018年にAmazon S3上にデータレイク基盤を構築し、データレポートティング機能などをAmazon Redshiftを用いて実現するなど、AWSのサービスの採用を進めてきました。
そして今回、AWSと協力して取引市場そのものをAWSのクラウド上へ移行していくビジョンを正式に発表しました。
AWS Outpostsで証券取引向けローカルゾーン構築
今回の発表では、NASDAQはAWSがオンプレミス向けソリューションとして提供している「AWS Outposts」をNASDAQのコアネットワークに組み込むことで、ニュージャージーにある同社のプライマリデータセンターに対して超低レイテンシで接続されるエッジコンピューティングを実現する計画が含まれています。
このソリューションはAWSとNASDAQが協力して設計する予定で、AWSにとっては証券市場向けとして最初のプライベートなAWSローカルゾーンになります。
さらに両社はNASDAQの金融犯罪対策、データ分析、取引市場基盤のソフトウェアソリューションにおいて、AWSのクラウド機能を活用する新たな方法を模索することについても協力するとしています。
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