JPMorganに罰金2億ドル WhatsAppなどの業務利用で
JPMorgan Chaseの従業員がWhatsAppなどを顧客とのやり取りに使っていたとして、SECとCFTCが合わせて2億ドルの罰金を科した。米連邦法では、銀行企業は公式ビジネスの詳細な記録を保持する必要がある。
米証券取引委員会(SEC)は12月17日(現地時間)、米JPMorgan Chase傘下の証券会社JPMorgan SecuritiesがSECによる起訴事実を認め、1億2500万ドルの罰金を支払い、コンプライアンスポリシーを改善することに同意したと発表した。従業員が「WhatsApp」その他の通信アプリを使って顧客と通信し、連邦政府の記録保持法に違反したため。
同日、米商品先物取引委員会(CFTC)も記録保持義務を怠ったとして、JPMorganに7500万ドルの罰金を科したと発表した。
SECによると、JPMorganの一部の従業員が、2018年から2020年にかけて、WhatsAppと個人のメールアカウントを使って業務を行っていた。CFTCによると、少なくとも2015年7月以降、上級幹部を含む従業員が、個人のテキストメッセージやWhatsAppなど、未承認のチャンネルで社内外のコミュニケーションを行っていた。
米連邦法の下では、銀行企業は規制当局が取引を調査できるよう、公式ビジネスの詳細な記録を保持する必要があるが、上記のようなコミュニケーションの記録は保存されていなかった。特にWhatsAppの通信はE2EEで暗号化されており、技術的に開示できない。
SECは発表文で「テクノロジーが変化するにつれて、登録者が通信を適切に記録し、公式チャネルの外部で行われないようにすることがさらに重要になる」と語った。
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