「やっぱり紙が好き」な浦沢直樹さん、電子書籍化を条件付き解禁 28日から「YAWARA!」など
「YAWARA!」などで知られる漫画家の浦沢直樹さんが電子書籍化を解禁。「見開き読み推奨!マーク」やカラーページの活用など、発行する小学館に対して複数の提案をしていた。
「YAWARA!」などで知られる漫画家の浦沢直樹さんは12月28日、自身のYouTubeチャンネルで作品の電子書籍化を発表した。「20世紀少年」など7作品を28日から販売する。ただし電子書籍化にあたり、小学館にいくつかの提案をしていた。
初回の配信作品は「YAWARA!」「JIGORO!」「20世紀少年」「21世紀少年」「くしゃみ 浦沢直樹短編集」「夢印」「あさドラ!」。紙版の「あさドラ!」6巻発売に合わせ、28日から各配信サイトで販売する。第2弾として2022年2月末に「MONSTER」「描いて描いて描きまくる」を追加する。
浦沢直樹さんは“見開き”など紙の雑誌を前提とした演出にこだわり、これまで電子化を避けていた。しかし「そうも言ってられない今日この頃」。自身が小学館マンガ賞の新人賞を受賞してから40年の節目に電子化を解禁した。
ただし電子化にあたりいくつかの条件を付けた。1つは自身でデザインした「見開き読み推奨!マーク」を作品の冒頭に掲載し、演出の意図を読者に伝えること。マークは漫画家なら誰でも自由に使えるようにする。
「スマホで片方のページだけ見ていると(読者は見開きページで)がっかりすることもある。漫画家の気持ちをちょっと表現してみた」(YouTubeチャンネルより)という。
またカラーページを積極的に活用する、扉絵のない回にはブランク(白紙)を入れるといった提案も。ブランクはまんがを読むテンポを作者の意図通りに再現するため。カラーは電子書籍の表現力を生かすためだ。
「電子書籍というメディアで、 いかに読者の皆さんに漫画を楽しんでいただけるか。最善の形を求めて、 これからもいろいろなアイデアを出し合っていけたらと思います。まずはお楽しみいただけたら幸いです」
一方で「やっぱり紙が好き」なため、「あさドラ!」6巻では紙版購入者を対象とした「やっぱり紙が好き!フェア」を実施する。初回配本分にもれなく特製ステッカーを封入する他、帯のマークをハガキに貼って応募すると好きな浦沢作品キャラクターを描いた「リクエスト・サイン色紙」を抽選で5人にプレゼントする。
浦沢直樹さんは1960年生まれ。1983年に「BETA!!」でデビューし、小学館漫画賞を3度受賞した他、 2021年に4度目となるイタリア「ルッカコミックス&ゲームズ2021」ベストシリーズ賞を「あさドラ!」で受賞するなど国内外で高い評価を受けている。世界累計発行部数は1億4000万部を超えた。
関連記事
- 「呪術廻戦」8巻まで無料配信 各電子書籍販売サイトで期間限定
集英社は25日、映画「劇場版 呪術廻戦0」の公開を記念して、原作まんが「呪術廻戦」のコミックス1巻から8巻までの無料配信を始めた。 - 紆余曲折を経て「はじめの一歩」電子版“解禁” マガジン電子版でも連載へ
講談社は23日、「週刊少年マガジン」の看板連載「はじめの一歩」の電子版を発売すると発表した。週刊少年マガジン電子版でも31号以降にはじめの一歩を掲載する。 - Twitterトレンド大賞は「金メダル」 審議委員会特別賞に「ルックバック」
Twitter Japanは12月20日、日本のTwitterで2021年に話題になったワードをランキング形式で紹介する「♯Twitterトレンド大賞」を発表した。1位は東京五輪の「金メダル」だった。 - 現代の漫画家、「鳥獣戯画のすべて」展で“最古の漫画”に魅せられる
漫画家のサダタローさんが、思わずSNSでシェアしたくなる話題を漫画で紹介する連載「サダタローのシェアさせていただきますR」。今回は上野の「東京国立博物館 平成館」で開催している「鳥獣戯画のすべて」展におじゃましました。 - 「謎肉でマンガ肉を作ってみた」 カップヌードル公式が謎料理をTwitterで披露 謎に包まれたレシピ公開
日清「カップヌードル」の公式Twitterアカウントが2月9日、カップヌードルに入っている通称“謎肉”で作った“マンガ肉”という謎の料理を披露した。材料と詳しい作り方を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.