“早すぎたメタバース”「Second Life」のLinden Labに創業者が再参加
2003年にメタバース「Second Life」を立ち上げたLinden Labに同社を離れていた創業者のフィリップ・ローズデール氏が再参加した。「メタバースをディストピアにすべきではない」とローズデール氏。
2003年に“早すぎたメタバース”「Second Life」を立ち上げた米Linden Labは1月13日(現地時間)、創業者のフィリップ・ローズデール氏が同社に戦略アドバイザーとして再参加すると発表した。ローズデール氏が現在経営する空間オーディオ企業High FidelityがLinden Labの権益を取得し、High FidelityのメタバースチームのメンバーがLinden Labに合流する。
これによりSecond Life事業をさらに拡大し、「革新的で包括的で多様なメタバースを成長させるというコミットメントを強化する」としている。
ロズーデール氏は「ビッグテック(IT企業大手)がVRヘッドセットを提供し、広告主導のプラットフォームでメタバースを構築しても、万人にとって素晴らしいデジタルユートピアが生まれるわけではない。(中略)メタバースをディストピアにするべきではない」と語った。
ビッグテックの具体名を挙げてはいないが、VRヘッドセット「Oculus Quest」シリーズを提供し、最近社名を「Meta」とした米Facebookを指すようだ。Metaは昨年10月、メタバースにシフトしていくと宣言した。
Second Lifeは2003年に立ち上げられたメタバースサービス。メタバース内でのショッピングなども可能だ。2007年には日本でもブームになったが、その後下火になった。2014年にはOculusのVRヘッドセットをサポートした。Linden Labによると、現在も20億を超えるユーザー生成アセットがあり、マーケットプレイスでは800万点以上のアイテムが販売されているという。
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創業者のフィリップ・ローズデール氏は会社にとどまり、会長となる。
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