NVIDIA、Arm買収を断念か──Bloomberg報道
NVIDIAが2020年9月に発表したソフトバンクGからのArm買収を断念しようとしているとBloombergが報じた。この買収には当局や競合が懸念を示している。
米NVIDIAは、ソフトバンクグループ(以下ソフトバンクG)からの英Arm買収を断念しようとしていると、米Bloombergが1月25日(現地時間)、匿名の関係筋の話として報じた。
ソフトバンクGはNVIDIAによる買収に代わるものとして、Armの再上場の準備をしていると別の情報筋が語ったという。Armは2016年にソフトバンクGによる買収が完了した段階で上場廃止している。
NVIDIAは2020年9月にソフトバンクGからArmを買収する契約を結んだと発表した。買収総額は約400億ドル。規制当局や半導体業界から激しい反発を呼んだ。
米連邦取引委員会(FTC)は昨年12月、この買収は半導体市場の競争を阻害するとして、買収差し止めを求めてNVIDIAを提訴した。
NVIDIAはBloombergに対し、「われわれはこの取り引きがArmを強化し、市場における競争と革新を推進する機会を提供するという見解を規制当局に提出しており、この見解を保持している」と語った。ソフトバンクGは「取り引きが承認されることを期待している」と語った。
情報筋によると、Qualcomm、Microsoft、Intel、Amazon.comを含むグループが、世界中の規制当局に、この取り引きを停止させるのに十分だと確信するデータを提供したという。
NVIDIAは買収発表の際、取り引きの完了には約18カ月かかるとしていた。つまり、この3月には完了する見込みだった。
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