クレカ基盤への不正アクセス問題 自治体EC・映画予約サイトなど、安全のため決済機能停止
メタップスペイメントのクレジットカード決済基盤が不正アクセスを受けた問題で、複数のサービスがクレジットカード決済機能を停止する事態になっている。情報漏えいの有無は現在調査中。
事業者向けに決済サービスを提供しているメタップスペイメント(東京都港区)がクレジットカード決済基盤に不正アクセスを受けた問題で、利用者の安全確保のため、複数のサービスがクレジットカード決済機能を停止したことを明らかにした。クレジットカード情報などの漏えいの有無は現在調査中。
滋賀県が展開する飲食店応援施策「湖国のお店応援!ここクーポン」ではメタップスペイメントのクレジットカード決済サービスを導入していたが、同社から情報セキュリティ上の懸念があると報告を受け、25日午前9時にクレジットカード決済を停止した。シネマシティ(東京都立川市)が運営する映画予約サイト「CINEMA CITY」でも同様に、25日午前10時にクレジットカード決済を停止。再開時期は未定としている。
滋賀県は「ここクーポンの利用者について情報漏えいがあったとの報告は受けていない」とした一方、ユーザーに対して、クレジットカードの不正利用がないか確認するよう促した。
メタップスペイメントは2021年12月に、クレジットカード会社からイベント主催者向けサービス「イベントペイ」で不正利用が疑われる決済があったと連絡を受け、第三者機関による調査を開始。決済基盤への不正アクセスにより情報流出が起きている可能性が高いことが22年1月21日に分かったため、25日にクレジットカード決済サービスを全面停止した。
第三者機関による調査は2月中旬まで続く予定。メタップスペイメントは「調査結果は速やかにお知らせするともに、対応方針や再発防止策について案内する」としている。
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