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防衛省、安全保障に関するデータ59件の流出を確認 19年6月の三菱電機の不正アクセスで
2020年1月に発生した三菱電機への不正アクセスで流出した可能性のある防衛関連の情報の中に、安全保障への影響を及ぼすおそれのあるデータが59件あった。防衛省はそれぞれに適切な措置を講じたという。
防衛省は12月24日、2019年6月に発生した三菱電機への不正アクセスで流出した可能性のある防衛関連の情報の中に、安全保障へ影響を及ぼすおそれのあるデータが59件あったと発表した。それぞれに適切な措置を講じたという。
当時、流出した可能性があるとしていた防衛関連のデータは約2万件。その内59件に、国の防衛に関わる情報が含まれていた。防衛省は三菱電機に対し、注意を要する情報3件の管理が適切でなかったと注意した上で、情報の適切な取り扱いを徹底するよう指示をしたとしている。
防衛省はこの件について「深刻に受け止めている」とコメントしており、防衛産業におけるサイバーセキュリティ体制の強化のため、2021年度中に、今よりも厳格な管理策を盛り込んだ新たな情報セキュリティ基準の規則作りを進めるという。
三菱電機へ不正アクセスがあったのは2019年6月28日。これにより、採用応募者や従業員、関係会社の退職者など計8122人分の個人情報と、技術資料や営業資料などの企業秘密が流出した可能性があると20年1月20日に発表していた。
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