Spotify、PodcastのMAUは2桁増加 「ジョー・ローガンもポリシーに従う」とエクCEO
Spotifyは業績発表で、Podcastを利用したMAUが2桁増加したと語った。エクCEOはジョー・ローガン氏のPodcastの問題について「表現と安全のバランスを取るよう努めている」と説明した。
スウェーデンSpotifyは2月2日(現地時間)、2021年第4四半期(10〜12月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比24%増の21億6800万ユーロ、純損失は3900万ユーロ(1株当たり0.21ユーロ)だった。前年同期は200万ユーロの黒字だった。
MAU(月間アクティブユーザー数)は18%増の4億600万人、有料会員数は16%増の1億8000万人だった。Podcastを利用したMAUは2桁増加したとしている。プラットフォーム全体でのリスナーの消費時間に占めるPodcastのシェアは過去最高だった(具体的なパーセンテージは不明)。
業績発表後の電話会見でダニエル・エクCEOはジョー・ローガン氏のPodcastをめぐる問題についての質問に、「われわれはクリエイターの表現とユーザーの安全のバランスを取るよう努めている」とし、1月31日に公開したポリシーについて触れた。「重要なのは、1人のクリエイターのためにポリシーを変更したり、メディアや周囲からの抗議を受けて変更したりしないことだ」「ジョー(ローガン氏)のPodcastは市場No.1だが、彼もポリシーに従わなければならない」と語った。
この問題が加入者の退会に影響するかという質問には、それを判断するのは早すぎると答えた。これまでも、問題の影響は「数日ではなく数カ月」にわたるものだったと語った。
Spotifyは、プラットフォームを使う5000万人のクリエイターに収益化のためのツールを今後も提供していくとしている。エク氏は「われわれはクリエイターにとって最高の場所になりたいと思っている。われわれはオーディオの可能性のほんの一部にすぎない」と語った。
本稿執筆現在、Spotifyではニール・ヤング氏の楽曲を再生できる。ジョー・ローガン氏による問題になっているコンテンツには、コンテンツアドバイザリーが表示されるようになった。
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