家庭用ビデオカメラが終わりつつある件について、JVCムービーカム愛用者が語り合った:ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(4/4 ページ)
歴史あるビデオカメラメーカー、JVCの市場撤退。JVC製ビデオカメラを愛用していた2人の編集者が語り合った。
アクションカム、タフネス市場
ヤマー タフネス仕様は一定のニーズがありますからね。ドライブレコーダーもそういう意味だとタフネスですね。動作温度かなり広いですから。でもアクションカムはGoProとかDJIが強すぎて、国内メーカーは……。
マツ 一時期は対抗していたソニーも新しいのは作ってないですね……。アクションカムといえばGoProが定番ですが、GoProのバッテリー、想定持続時間に達しないのに途中で終わることも多いんですよ。熱暴走したり、寒さで落ちちゃったり。でも、先日出た「Enduro」という新しいバッテリーが低温耐性があって、稼働時間が長いやつらしくて、買おうかなと思ってます。その辺の新しいテクノロジーが生まれるのは、伸びている市場だからこそですよね。
ヤマー ですねぇ。ビデオカメラは形状的にバッテリーを大型化しやすい構造でしたけど、アクションカムは防水性が問われるので、ボディサイズを大きくしない限り、バッテリーの容積を増やすってのもできませんしね。
マツ 外付けで交換しやすいというのもよかったんだけどなあ。
ヤマー あとアクションカム、スマホを中心に発展したテクノロジーの恩恵にも預かれてますよね。前の西田さんの記事じゃないですが。
マツ 大量に生み出された製品で使われたパーツが新しいテクノロジーを産むという、とても示唆に富んだ話でした。
ヤマー あれは私も前から同じことを思ってて、アクションカムも、スマホのカメラで使われているCMOSセンサー、ジャイロセンサーが肝になってますし、バッテリーの刷新はスマホでリチウムイオンの小型軽量化が続けられているからで。逆に電子式手ブレ補正(EIS)は、最近のスマホにも逆輸入されてますし。EISはここ数年で大幅に改善しましたね。特にGoPro 7辺りから。
マツ だったら、スマホで全部やっちゃえという話にもなるんですけどね。頑張った分、全部吸い取られちゃう。
ヤマー そこはニーズですね。タフネスかつ小型のカメラが必要な市場が出来上がってますからね。そこにスマホは合致しないんですよね。ニッチ故に。
マツ はい。カメラ市場はとりあえずそういったところででも生き残ってほしいです。
ヤマー 確かに今の専用機は、高級、高性能、ニッチ方面に進んでますよね。ミラーレスもそうですが。
マツ ビデオカメラ市場の今後については、小寺さんが週末に分析記事を書いてくれるそうなので、来週には記事をお届けできると思います。ご期待ください。
ヤマー プロの見地から今後のビデオカメラ市場がどうなるってのを解説してもらえるわけですね。楽しみだなぁー!
マツ 小寺さんはお子さんがいらっしゃる、現役ホームビデオカメラマンでもあるので、その意味でも期待してます。
小寺さんの解説記事が掲載されましたので、ぜひ併せてお読みください。
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