日産COO「欧州市場向けにガソリンエンジンの新規開発はしない」 日本や中国では継続
日産自動車のアシュワニ・グプタCOOは、「欧州市場向けにガソリンエンジンの新規開発はしない」と、決算発表会見にてコメントした。一方で、他市場向けにはガソリンエンジンの開発を続ける意向を示した。
日産自動車のアシュワニ・グプタCOOは2月8日、「欧州市場向けにガソリンエンジンの新規開発はしない」と、決算発表の場で明らかにした。EU(欧州連合)が新しい排ガス規制「ユーロ7」を導入する2025年以降はガソリンエンジンの需要が減少するとみている。
欧州市場について「ユーロ7が導入されれば、顧客はガソリン車に現状よりはるかに高いコストを支払わなければならなくなる。そのため、顧客はガソリン車よりも電気自動車の方が価値が高いと思っている」とグプタCOOは分析する。
一方で「異なる顧客や市場には、ガソリンエンジンを求める人がまだいる」とも指摘しており、他市場向けには開発を続ける意向を示した。そのため、今後の開発体制については市場の分析を続けた上で「慎重に微調整する」(グプタCOO)と話した。
日本や中国市場については、2030年までの電気自動車の販売比率の方針に掲げる「Nissan Ambition 2030」の内容と変わらないと説明。日本では55%以上、中国では40%以上の電気自動車の構成比を2030年までに目指す。
グプタCOOは「電動化は結果であり、自然に起こってほしい。だからこそ、日産は2010年から電気自動車の取り扱いを始めてきた。顧客がすぐにでも電動化を求めるならば、それに対応する準備はすでにできている」と話した。
日本経済新聞社は2月7日、日産が日欧中向けにガソリンエンジンの新規開発をやめる方針であると報じていた。
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