2000年問題再来? 間もなくバージョン“100”になるChromeとFirefoxに「リスクあり」とMozillaが警告
Webブラウザ「Google Chrome」と「Firefox」が、間もなくバージョン100にアップデートされる。バージョンの桁数が2桁から3桁に変わるため、かつての「2000年問題」と同じく、システムに不具合が発生する可能性があるとして、米Mozillaは注意喚起している。
Webブラウザ「Google Chrome」と「Firefox」が、間もなくバージョン100にアップデートされる。バージョンの桁数が2桁から3桁に変わるため、かつての「2000年問題」と同じく、システムに不具合が発生する可能性があるとして、米Mozillaは注意喚起している。
ユーザーがどのようなWebブラウザを使っているかを識別するために、「ユーザーエージェント」(UA)という文字列をWebブラウザがWebサーバへ送信する仕組みがある。この文字列には、Webブラウザのバージョン番号も含まれるが、かつてバージョンが1桁台だった頃に初めて10になった際には、2桁の番号表示にUAが対応できず、Webサイトの表示に不具合が起きる場合があった。
2008年にWebブラウザ「Opera」のバージョン10をリリースした際には、UAの1桁目の文字列である「1」のみを検出してしまい、Opera 10を「サポートしていないWebブラウザ」とWebサイトが誤って認識。サーバやクライアント側のスクリプトを壊してしまう事例があったという。
これと同じく、バージョンが3桁に変わったことで、Webサーバ側がUAを正しく認識できず、アクセスしてきたWebブラウザに対して適切なデータを提供できない……といった不具合が起きる可能性がある。
Chromeは3月29日、Firefoxは5月3日にバージョン100へ以降する予定。Firefoxの技術情報を発信するMozillaのWebサイト「Mozilla Hacks」はバージョン100問題について「2桁のバージョンへ移行した際に、多くのライブラリは解析ロジックを改善したため、3桁になっても以前ほど問題は出ないだろう」と予想しつつも、不具合が発生した場合に備えた各Webブラウザの問題軽減策を紹介している。
Chromeでは、メジャーバージョンを99で固定し、UA内のマイナーバージョン部分で実際のメジャーバージョン番号を報告するという方法を用意。しかし、UA内のマイナーバージョン部分は長い間「0」で報告してきたことから、3桁の報告がかえって予期せぬエラーにつながる可能性もあるとしている。
FirefoxではWebサイトへの介入メカニズムを用意。これを使うことで、バージョン100で壊れたWebブラウザをホットフィックスすることが可能という。また、特定のドメインでエラーが発生した場合は、バージョン99を代わりに送ることで修正も可能としている。さらなる修正が必要な場合は、バージョン99で一時的に固定する予定。
Mozzila Hacksは、Webサイトの管理者たちに対し、3桁の番号への対応について事前のテストに協力を求めている。両方のWebブラウザでUAを3桁番号に設定する方法を紹介しており、できるだけ多くの問題を実際のアップデート前に見つけたいとしている。
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