初音ミクが生きてきた16年を振り返る 究極のバーチャルシンガーはどこがすごかったのか:ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(5/5 ページ)
NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」をネタに、初音ミクについて語りました。
コンテンツとして消費されない
マツ そういえば、最近気になってるのが、VTuberの動きです。
ヤマー また飛びましたねw
マツ 彼ら、彼女らも、仮想キャラクターをベースにしたコンテンツですが、消費されていくスピードが恐ろしく速いですよね。投げ銭(スパチャ)で世界トップになったら翌年おしまい、みたいな流れができてる。
ヤマー ただ、彼女は事故みたいなものでしたけど……。
マツ 2年続けてですよ。
ヤマー 人気男性シンガーと思われる人からのメッセ通知が配信画面に映るというのは、今っぽい事故ではありますけどね。事務所側のステートメントを読むに、それ以外にも契約解除の理由になる事象があったとのことでしたが。
マツ で、VTuberの元祖的存在であるキズナアイも活動休止して、今度はバーチャルシンガーになるという。
ヤマー ですね。ラストライブ良かったです。とんかつ屋で夜ご飯食べながら見てましたけど、最後の演出はグッと来ました。
キズナアイはVTuberの第一人者ですけど、いろいろと騒動もありましたしね……。全体的にVTuberは商業化の道のりがだいぶ早かったので、それも要因のひとつなのかなと。
マツ その点、初音ミクはスキャンダルもなく、無事に16歳を迎えることができそうで、本当によかったです。
ヤマー 本当に文化として大事に育てられていったってのがよく分かりますね。初音ミクはソフトウェアだからと言われれば身もふたもないんですけど。
動画制作者の発表の場でもあったボカロ曲
ヤマー あと、個人的には初音ミクを媒介にして、動画製作者の発表の場にもなってたのが今思うと印象的でです。
マツ ああ、After Effectsが一気に普及したというw
ヤマー それこそ大学時代はAfter Effectsのオフ会とか、FRENZというロフトプラスワンを貸し切った動画上映イベントなんかによく行ってました。そこでもやっぱりボカロ曲のPVを出す方が結構多かった印象です。
マツ そんなオフ会がw 僕も、最初の頃の初音ミクオンリーイベントとか行きましたけど、活気ありましたね。
ヤマー ありましたね。動画クリエイターともそこで交流できましたし、今もAdobeはじめ、クリエイティブ系の取材でその時の知識が生きてるんですよね。
マツ じゃあ、こうやって僕らが対談できているのも、初音ミクのおかげということに。
ヤマー だいぶ影響受けてますね。ミクを触ったこともなければ楽曲も作らないんですけど(DAWのAbleton LiveとコントロールサーフェスのPush2はなぜか持ってるんですが)。
マツ じゃあ今度コラボしましょうかw
ヤマー まずは使い方をマスターしなければw
マツ ところで、NHKオンデマンドでやっとこさ番組を見れたんですが、DECO*27さん、iPhoneのメモアプリで作詞してるんですね。僕も見習って、iOSメモで歌詞を考えますw それと、番組ではwatさん、伊藤社長、剣持さん、それぞれお元気な様子で、それもうれしかったです。ただ一つ、許せないのがエンディング曲で、初音ミクじゃない歌を流すってどういうことですか?
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