ウクライナから世界のIT大手にロシア対策を要請するフェドロフ副首相はどんな人?
ロシアによるウクライナ侵攻中、Appleはロシアでの製品販売を中止し、イーロン・マスク氏はウクライナにStarlinkのアンテナを送った。すべてはウクライナのフェドロフ副首相のツイートから始まったことだ。ゼレンスキー政権の若手である同氏は、どんな人物なのだろう。
ロシアによるウクライナ侵攻の中、米Appleのティム・クックCEOをはじめとするIT大手企業に次々と支援を要請しているウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相とは、どんな人物なのか。同氏のSNSアカウントやLinkedInからたどってみた。
ウクライナ政府の大臣としては最年少の31歳。ウクライナのザポリージャ国立大学で社会学を専攻し、卒業後にFacebookとInstagramに特化した広告サービス企業SMMSTUDIOをキエフで創業した。
ウォロディミル・ゼレンスキー氏の2019年の大統領選ではアドバイザーを務め、ゼレンスキー氏が大統領に就任するとウクライナ政府の副首相兼DX担当大臣に就任。コロナウイルスワクチンパスポート用のオンラインツール設置などで活躍した。
2021年9月にはゼレンスキー大統領と共に米国の大手IT企業を歴訪し、ウクライナへの誘致などを行った。同氏のFacebookページには、Appleのティム・クックCEOと同社キャンパスで撮影した写真などが投稿されている。この投稿には、ウクライナでのApple Store開設などを要請したと書かれている。
この訪米では、Appleの他に、Amazon.com、Facebook(当時)、Googleの幹部とも面会している。
ロシアによる侵攻後の一連のツイートによる要請は、こうして築いた関係に基づくもののようだ。
同氏のTwitterアカウントには現在、約19万人のフォロワーがいる。同氏は例えばMeta(旧Facebook)が要求を受け入れると「YouTubeはいつ?」などとツイートし、次々と攻略している。
本稿執筆の数時間前には、VisaとMasterCardに対し、ロシアからの完全撤退をツイートで要請した。
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