Meta(旧Facebook)、ウクライナ標的の約40件の偽ペルソナネットワークを削除
Meta(旧Facebook)は、“コーディネートされた不正な動作”をするアカウント、ページ、グループのネットワークを発見し、これらの活動を停止させたと発表した。ウクライナの人々を標的に、西側がウクライナを裏切り、ウクライナが破綻しているなどの偽情報を組織的に投稿していた。
米Meta(旧Facebook)は2月28日(現地時間)、過去48時間で約40件の“コーディネートされた不正な動作”をするアカウント、ページ、グループのネットワークを発見し、これらの活動を停止させたと発表した。
これらの架空のペルソナのネットワークは、ロシアとウクライナを拠点に、複数のSNSプラットフォームと独自Webサイトを通じてウクライナの人々を標的にしているという。Metaはこれらをブロックすると同時に他のプラットフォームや研究者、政府機関と情報を共有した。
このネットワークは、偽アカウントを使ってFacebook、Instagram、Twitter、YouTube、Telegram、Odnoklassniki(ロシアのSNS)、VK(Odnoklassnikiを運営するロシアのネットワーク企業)などのサービスで架空のペルソナやブランドを運営し、本物らしさを装っていたという。プロフィール画像はGAN(Generative Adversarial Network;敵対的生成ネットワーク)で作成された可能性が高く、独立した報道機関を装ったWebサイトで、西側がウクライナを裏切り、ウクライナが破綻しているという主張を展開した。
また、過去数日間にウクライナの軍人や公的人物のアカウントを乗っ取り、偽情報を投稿する行為が増えているとも発表した。例えばウクライナ軍がロシアに降伏している様子を描いたYouTube動画をFacebookに投稿したアカウントを検出したとしている。
Metaは、こうした行為を目的にウクライナユーザーのアカウントを騙し取るためのフィッシングドメインも検出し、これをブロックした。
同社はこの他、ロシア国営メディアによるプラットフォーム上での収益化を制限し、ウクライナユーザー向けに特別なアカウント保護ツールを提供している。
さらに、EU(欧州連合)の発表を受け、UE全域でのロシア国営メディアRTおよびスプートニクへのアクセスを制限すると、同社の国際業務担当副社長、ニック・クレッグ氏がツイートした。
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