東京ドームの「現金お断り」に賛否両論 キャッシュレス決済手段を持たない人は?
リニューアル工事を済ませてオープンした「東京ドーム」。場内で現金が使えない完全キャッシュレス化には異論も多いが、サポート体制は充実している。
過去最大のリニューアル工事を済ませ、3月2日にオープンした「東京ドーム」。巨大なLEDビジョンや“顔パス”を実現する顔認証システムも話題だが、場内で現金が使えない完全キャッシュレス化には異論も多い。東京ドームを運営する東京ドーム社に話を聞いた。
東京ドームは場内チケットカウンターの他、グッズを販売する売店や客席販売に至るまでキャッシュレス化した(場外チケット売り場は現金可)。決済はクレジットカードか「Suica」などの電子マネー、「PayPay」などのコード決済となる。コインロッカーは交通系ICカードに対応している。
これに対しSNSでは「時代の流れとはいえ……」「野球ファンには年配の方も多いから時期尚早」といった慎重論も目立つ。東京ドーム社は「そうした意見があるのは把握している」と話す。
「キャッシュレスというとPayPayなど最近登場したコード決済を思い浮かべる方も多いと思いますが、東京ドームではSuicaなど交通系ICカードも使えます。場内にはICカードに現金をチャージする機械を設置し、必要な方には(スタッフが)案内します」という。
Suicaは2021年に発売20周年を迎え、PASMOなどを含めた交通系ICカードの累計発行枚数は2億枚超(2021年9月時点、JR東日本メカトロニクス調べ)。野球観戦者のコア層といわれる中高年男性を含め、十分に普及しているという判断だ。
また場内には複数の「DXサポートデスク」を設け、決済方法や各種デジタルサービスの使い方などを案内する。さらにキャッシュレス決済手段を持たない人のために1500円チャージ済みのSuicaを2000円で、チャージしていないnanacoを300円で販売中。場内で唯一現金が使える場所といえそうだ。
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