Google、ゲームストリーミング「Stadia」仕切り直し B2Bサービスも
Googleはゲーム開発者向け「Google for Games Developer Summit」を開催した。ゲームストリーミング「Stadia」関連の複数の取り組みを発表した。AT&Tなどの企業にStadiaの技術を提供する「Immersive Stream for Games」も発表した。
米Googleは3月15日(現地時間)、ゲーム開発者向けオンラインイベント「Google for Games Developer Summit」を開催し、ゲームストリーミングサービス「Stadia」関連の発表を行った。
Stadiaは、同社が2019年に立ち上げたゲームストリーミングサービス。米国では月額9.99ドルで提供しており、スマートフォン、PCのWebブラウザ、スマートTVなどでプレイできる。
当初はオリジナルのゲームも提供する計画だったが、昨年2月に自社スタジオを閉鎖した。
Googleはこのイベントで、「Immersive Stream for Games」を発表した。これは、2018年に「Project Stream」として発表した技術をベースにしたB2Bサービスだ。サードパーティ企業は、Stadiaのプラットフォーム技術を使ってゲームを自社のユーザーに直接配信できるようになる。
このサービスにより、企業はゲームのお試し版を提供したり、自社のサブスクサービスを提供したりできる。
Googleは昨年、米AT&Tとの提携でこのサービスのテストを開始した。AT&Tはライセンスを持つ「Batman: Arkham Knight」のゲームをImmersive Stream for Gamesを利用して配信した。AT&Tは発表イベントで、このテストでは数千人のユーザーにゲームを無料で提供し、年内に新たなゲームをWebやモバイルでプレイできるようにすると語った。
今回のイベントでは、この他、以下の取り組みが発表された。
- ゲーム開発者は、Stadiaで公開しているゲームの無料トライアルをYouTube、Googleの検索広告、SNS投稿経由で提供できるようになる。つまり、ユーザーはStadiaのアカウントへのログインなしに無料でゲームを試せる
- ユーザーは、Stadia Storeで無料トライアル、完全に無料のゲームをプレイできるようになる
- ゲーム開発者は、Unreal EngineあるいはUnityのエンジン採用の自社ゲームを、Googleのツールを使ってStadia向けに簡単に移植できるようになる
- StadiaのChrome OSサポート(まだα段階)
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