大胆なマウント変更で躍進 キヤノン、一眼レフの歴史:荻窪圭のデジカメレビュープラス(4/4 ページ)
「EOS SYSTEM」が35周年を迎えたのである。今まで何かきっかけがあると、そのメーカーの歴史的なカメラを振り返ったりしてたので、今回はキヤノンである。
AFは賢くて速いし、めちゃ暗くてもAFが効くし、ボディ内手ブレ補正は強力だし、操作はEOSらしい使いやすさだし、レスポンスもいいしで、2年前のアレは何だったの? というくらいいきなり2ランク以上レベルアップした感じで登場したのだ。
長年、カメラを作り続けてきた実績と、最新のデジタル技術と独自開発のCMOSセンサーがとうとう融合したという感がある。
本気のキヤノンすげぇ。コロナ禍がかぶってこなければもっと生産できただろうし、もっと話題になったかと思う。
同時に、RFレンズも一眼レフ時代の常識にとらわれないラインアップを揃え、次世代のデジタル一眼を作っていくという意欲を感じたのだ。
さて気になるのはその先。
1つはAPS-Cサイズのミラーレス一眼をどうするか。
EOS MのEF-Mマウントと、EOS RのRFマウントと、ミラーレス一眼だけで2つのマウントを持ってるのはキヤノンだけであり、今後も2つのマウントを維持していくのか、RFマウントに統一していくのかは気になるところだ。個人的にはいつかRFマウントのEOS Kiss Rが出ても不思議はない(センサーはAPS-Cサイズかもしれない)なと思ってる。
個人的には、EOS R5/R6の技術を継承した小型軽量機が欲しいなと思うのだけど、さてどうなるか。
もう1つは必ず出るであろうフラッグシップ機はどうなるか。EOS R3を超えるカメラだと思うとわくわくする。
「EOS R1」じゃないかと言われているけど、1989年からずっと継続している「EOS-1」というブランドをここで捨てるとは思えないので、「EOS-1 R」になるんじゃないかなと個人的に予想してるのだけど(EOS M KissではなくEOS Kiss Mだったように)どうなんだろう。
かくして、EOS35周年おめでとうございます。
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