ニュース
ソフトバンク、“量子コンピュータでも解けない暗号”をVPNに適用へ 米ベンダーと共同で
ソフトバンクが米Sandbox AQとパートナーシップ契約を結んだ。共同で量子コンピュータでも解読できない耐量子計算機暗号を使ったVPNなどの実用化を進める。
ソフトバンクは3月23日、米Sandbox AQとパートナーシップ契約を結んだと発表した。共同で量子コンピュータでも解読できない耐量子計算機暗号を使ったVPNなどの実用化を進める。
Sandbox AQは量子コンピューティングとAI技術を活用するSaaSベンダー。提携により、米国が進める「耐量子計算機暗号標準化プロジェクト」で最終候補や代替候補として選ばれた耐量子計算機暗号アルゴリズムを活用した技術検証ができるようになる。
ソフトバンクは夏までに4Gや5G、Wi-Fiなどさまざまな通信ネットワーク上で耐量子計算機暗号アルゴリズムを動作させて性能を評価。商用ネットワークへの実装も検討する。
同社は、現在は通信の秘密を保護するため公開鍵暗号などの技術が活用されているが、量子コンピュータの登場で暗号が解読されやすくなる恐れがあるとしている。
関連記事
- 数十年かかる計算が数十秒に? 昭和電工、半導体素材の配合比率計算に量子インスパイア計算活用
昭和電工が、量子コンピューティングにインスパイアされた技術を活用し、半導体を作る際に使う材料の配合比率を探したところ、これまで理論上数十年かかるとされていた計算を数十秒で完了できたと発表した。 - “最強生物”クマムシ、量子ビットと量子もつれになる 絶対零度・高真空に420時間さらされても生還
宇宙空間などの極限環境でも生存できるといわれる微生物「クマムシ」と超電導量子ビットの間に、量子特有の現象である「量子もつれ」を観察した──こんな研究結果を、シンガポールなどの研究チームが公開した。量子もつれ状態を作るためにほぼ絶対零度まで冷やされたクマムシは、その後生命活動を再開したという。 - NEC、D-Waveのクラウドサービス販売 Webブラウザで量子コンピュータ活用、日本語サポートも
NECがD-Wave Systemsのクラウドサービス「Leap Quantum Cloud Service」をグローバルで販売する。日本向けには日本語による顧客サポートも提供する。 - 量子コンピュータでも解読できない暗号技術、東大らが開発
東京大学と九州大学マス・フォア・インダストリ研究所、日本電信電話(NTT)の研究チームは、量子コンピュータでも解読できない新たなデジタル署名「QR-UOV署名」を開発したと発表。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.