LinkedInでAI生成の偽プロフィール画像によるリードジェネレーション──NPR報道
AIによる偽画像の研究者がLinkedIn上で1000以上の偽プロフィールを確認した。それらのプロフィールは実在の企業にリンクしていた。LinkedInのルール違反だが、新たな営業手法として悪用されているようだ。
米Microsoft傘下のビジネス特化SNSのLinkedInで、1000件以上の偽プロフィール画像を確認したと、スタンフォード大学インターネット観測所(SIO)の2人の研究者が報告し、米公共メディアNPRが3月28日(現地時間)、記事で紹介した。
SIOのレニー・ディレスタ氏はLinkedInでキーナン・ラムゼイと名乗るプロフィールからビジネスに関するメッセージを受け取ったが、プロフィール画像が不自然なことに気づき、調査を開始した。ディレスタ氏はロシアの偽情報キャンペーンやアンチワクチンの偽情報を研究するベテランだ。
同氏は別の偽プロフィールからメッセージを受け取った後、そのメッセージに言及する明らかに実際に存在する本物の従業員からフォローアップメッセージを受け取ったという。
ディレスタ氏とSIOのジョン・ゴールドスタイン氏は共同でLinkedIn上の偽プロファイルについて研究し、1000以上の偽プロファイルを確認した。
NPRはこの研究に基づいて、偽プロフィールにリンクされている70以上の実際の企業を特定し、取材した。一部の企業は、リードジェネレーション目的で外部マーケターを雇ったが、偽プロフィールについては知らなかったと答えた。
AIで生成した見分けの難しい偽プロフィールでSNSアカウントを作れば、リアルな人材を雇用するより安上がりに新規顧客を開拓できそうだ。NPRによると、AIによって生成された顔を人間が偽物と見破れる可能性は50%しかないという。
LinkedInはNPRに対し、偽プロフィールの作成はポリシー違反であり、削除したと語った。
NPRが調べたところ、偽プロフィールの履歴にはAmazonやSalesforceなどの有名企業の役職が並んでおり、有名大学の架空の学部を卒業したことになっていたプロフィールもあった。
ディレスタ氏は「これは誤情報や偽情報の話ではなく、AIを使った日常的なビジネスユースケースであり、結果的に倫理的な問題を提起している」とツイートした。
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