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「サイボーグ義手」電通大が開発 筋肉の電気信号で5本の指を操作可能 厚労省の認可取得
電通大が、筋肉が収縮するときの電気信号「筋電」で5本の指を動かせる「サイボーグ義手」の開発と実用化に成功した。障害者などが購入時に補助を受けられる制度の対象として、厚労省の認可も得た。
電気通信大学は4月14日、筋肉が収縮するときの電気信号「筋電」で5本の指を動かせる「サイボーグ義手」の開発と実用化に成功したと発表した。実地試験も完了済み。障害者などが購入時に補助を受けられる制度の対象として、厚生労働省の認可も得た。
装着者の筋電のパターンと、義手の指を動かすパターンをひもづけることで、意図するように5本の指を動かせる仕組み。部品や制御システムを独自開発したことから、電通大による機能追加もしやすいとしている。
電通大によれば、電動の義手で厚労省の認可を受けたものは海外製のものと、同大が2018年に開発したもののみ。国内製で認可を受けるのは2例目という。このうち、海外製の筋電義手は、いずれも輸入が必要なことからコストが高く、機能追加もしにくかった。そのため、より調達しやすいものが求められていたという。
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