オンキヨー、自己破産を申請 負債総額は約31億円 「誠に申し訳なく心からおわび」
オンキヨーホームエンターテイメントが、大阪地方裁判所に破産手続きの開始を申し立てた。負債総額は約31億円。「取引先、株主、関係者には多大な迷惑を掛け、誠に申し訳なく心からおわびする」(同社)という。
オンキヨーホームエンターテイメントは5月13日、大阪地方裁判所に破産手続きを申し立て、開始が決定したと発表した。負債総額は約31億円。同社は2021年に上場廃止した他、2022年2月に子会社2社が事業を停止するなど不振が続いていた。「取引先、株主、関係者には多大な迷惑を掛け、誠に申し訳なく心からおわびする」(同社)
オンキヨーホームエンターテイメントは継続する経常損失によって取引先への債務の支払いが遅延していた。19年にはホームAV事業の売却、21年3月には米国ファンドからの増資を受けることで債務超過を図ったものの、いずれも頓挫。21年3月期(20年4月〜21年3月)に2期連続の債務超過となり上場廃止した。
その後は債務超過の解消に向け、再度ホームAV事業の売却を米VOXX Internationalと協議。21年6月の売却が決定し、債務超過を解消できる見込みだった。しかし、コロナ禍の影響で手続きが遅延。実際の売却は9月まで延期になった。
この遅延により、3カ月間分の固定費などで20億円以上の債務が発生。完済が見込めなかったことから、オンキヨーマーケティングとオンキヨーサウンドなど一部を除く子会社や事業を売却することで解決を図った。
しかし半導体不足の影響で、残る2社も事業継続が困難になり、22年2月に事業活動を停止。資金繰りが悪化し、債務の完済ができなくなったことから、オンキヨーホームエンターテイメントも破産手続きを開始するに至ったという。
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