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教材系SaaS企業がリアル塾開校 51億円調達したスタートアップ・atama plusの狙い
AIを活用した学習塾向け教材サービス「atama+」を提供するatama plusが、塾の運営を始める。塾の運営で得た知見をatama+や同サービスで提供するコンテンツの改善に役立てるという。
AIを活用した学習塾向け教材サービス「atama+」を提供するatama plus(東京都港区)は5月17日、塾の運営を始めると発表した。atama+を使った授業を提供する塾「THINX」(シンクス)を長野県松本市にオープンする。塾の運営で得た知見をatama+や教材の改善に役立てるという。
6月1日に松本市内の2カ所で学習塾をオープン。いずれも小学校4〜6年生、中学生、高校生の生徒を募集する。塾では、学習の理解度などをAIで判断して教材を提示できるatama+の機能を活用し、生徒に合わせたカリキュラムを提供するという。教室数は拡大予定で、2023年3月までに追加で複数校を開設する方針。
atama plusは2017年創業。駿台予備学校を運営する学校法人・駿河台学園や栄光ゼミナールを運営する栄光など、学習塾を中心にサービスを提供している。立命館大学と協力し、一部のAO入試にatama+を活用する取り組みも行っている。21年7月にはベンチャーキャピタルなどから約51億円を調達。サービス開発の速度向上に充てると発表していた。
atama+は、社員が導入先の塾に直接足を運んで生徒や講師から意見を募り、サービス改善に活用している。atama plusは今後、THINXを運営することで意見を集めやすくし、サービス改善の速度向上につなげる。並行して、atama+を活用した塾の運営手法も模索するという。
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