Twitter、誤情報対策強化 まずはウクライナ関連に焦点
Twitterは、戦争などの危機的状況で起きがちな誤情報拡散を防ぐための新たなポリシーを発表した。該当する誤情報ツイートにラベルを付け、クリックしないと表示できないようにする。まずはウクライナでの戦争を始めとする国際的な武力紛争に焦点を当てる。
米Twitterは5月19日(現地時間)、戦争や災害などの危機の際、誤情報拡散を防ぐための新たなポリシーを発表した。誤情報を拡散していると見なした場合、該当するツイートにクリックしないと表示できないラベルを付け、アルゴリズムによるプロモーションから排除する。
Safety & Integrity担当ディレクターのヨエル・ロス氏は「コンテンツのモデレーションは、ツイートを削除するだけではない。潜在的な危険度に比例させられるように、対策範囲を拡大した」と説明する。
Twitterは2月末、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってすぐに、ロシアの国家関連メディアのWebサイトへのリンクを共有するツイートに注意喚起ラベルを付け始めた。ロス氏はおそらくこの取り組みを指して「重要な世界的な事件のコンテンツを残しつつ、害を軽減する効果的な方法であることが分かった」と語った。
新ポリシーでは、誤情報と分類されたツイートに警告ラベルが付けられる。このラベルには「このツイートは危機の影響を受ける人々に害を与えるおそれのある誤情報を共有することに関するTwitterルールに違反しています。しかし、説明責任の目的でこのコンテンツを保存し、ツイートを利用できるようにしておく必要があると判断しました」とあり、更なる説明へのリンクと、それでも表示するための「View」ボタンが付いている。
開始段階でこのラベルが付く可能性のあるツイートの例としてロス氏が挙げたものは、例えば「特定の集団に対する戦争犯罪あるいは大規模な残虐行為の明白な虚偽または誤解を招く主張」など、いずれも紛争、戦争関連のものだ。
ロス氏は、「まずはウクライナでの戦争を始めとする国際的な武力紛争に焦点を当てているが、追加の形態の危機にポリシーを拡大する予定だ」と語った。
新たな「Crisis misinformation policy」はこちらで確認できる。対象の拡大に合わせ、ポリシーを更新していくとしている。
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