全国の小中学校に動画編集ソフトを無料提供 30億調達したSaaSスタートアップ・オープンエイトの狙い
SaaS型の動画編集サービス「Video Brain」を提供するオープンエイトが、同サービスを全国の小中学校向けに無料提供する。文部科学省による“子供1人にPC1台”施策「GIGAスクール構想」を踏まえた対応という。
SaaS型の動画編集サービス「Video Brain」を提供するオープンエイト(東京都渋谷区)は5月25日、同サービスを全国の小中学校向けに無料提供すると発表した。小中学生向けに機能を調整したプランを提供する。文部科学省による“子供1人にPC1台”施策「GIGAスクール構想」を踏まえた取り組みという。
Video Brainは動画の制作、配信、視聴者の分析などを一つのソフトで行える点が特徴のサービス。小中学生向けプランでは、このうち動画の制作機能を切り出して提供する。子供向けのマニュアルや、テキストや画像をカスタマイズすればオリジナル動画が作れるテンプレートも追加した。
GIGAスクール構想で配布されているPCに合わせ、OSはWindowsとChrome OSに対応する。申し込みは教職員からのメールで受け付ける。
オープンエイトは今回の無料提供について、子供に動画作りの楽しさを広めることが目的とITmedia NEWSに説明。GIGAスクール構想で子供たちがPCを持つようになり、グループワークなどに活用する機会も出てきたことから、小中学生が動画制作に触れられる機会を増やすという。
オープンエイトは2015年創業。プレゼンテーションや研修用動画を作成・配信するサービスとしてVideo Brainを開発し、リクルートやコナミスポーツなど550社以上に提供している(22年5月25月時点)。21年には日本郵政グループのファンドなどから約30億円を調達。Video Brainの機能開発や認知拡大に充てる方針を示していた。
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