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オープンイノベーションを成功に導く7箇条 日本企業に足りない考え方とは?:オープンイノベーションのベストプラクティス(2/2 ページ)
企業がオープンイノベーションを成功させるにはどうすればいいのか。北米ベンチャー企業との協業における失敗例を振り返り、そこから逆算して7つのベストプラクティスを導き出す。
オープンイノベーションのベストプラクティス
これまで見てきたオープンイノベーションの失敗の要因を裏返せば、オープンイノベーションを成功に導くためのベストプラクティスが見えてくる。まとまると次の内容だ。
- 新規事業の展開は、いきなり「飛び地」に入るのではなく、社内のノウハウやリソース(技術力や製造力、販売チャネル、顧客)など、これまで培った自社の力を何らかの形で生かせる分野を対象にする
- オープンイノベーションを進める際には、人材を適切に配置する。社内での意思疎通を密にして、必要な連絡を必要な相手に送れる体制を整える
- ベンチャーを含む相手企業の目標や考え方、行動規範をよく理解して、意識のずれを防ぐ
- 意思決定のスピードを見直す。意思決定の遅さを解消する方法としては、技術の評価とビジネスプランの作成を並行して走らせることが解決策の一つだ
- 案件に対する期待度をうまく管理する
- リスクの許容範囲を決め、それを守る
- 経営トップのレベルで、将来に対する投資であるという考えをしっかり持ってベンチャー投資に関しての共通認識を持つ
ここまでは、北米ベンチャー企業との連携を例に、オープンイノベーションのベストプラクティスを探ってきた。7つのポイントは日本企業にとって大いに役に立つだろう。
国内企業同士で協業するとき、大切なこと
最後に、日本企業同士のオープンイノベーションについて話して終わりにする。まず日本企業を3つのタイプに分ける。
- 日立製作所や三菱電機、東芝のような、古い経営基盤で2000年以降伸び悩んでいる「既存の大企業」
- ソフトバンクや楽天、ディー・エヌ・エーのような、昔はベンチャーだった企業が成長した「ニューブリード」
- 現在進行系でベンチャー企業の「ニューブリード予備軍」だ。
ニューブリード予備軍は、世界に通用する技術を持っている一方で資金も人員も不足している。一方で既存の大企業は成長ビジョンを欠き停滞が続いている。両者が協業すれば、Win-Winの関係になれるだろう。
日本企業同士で協業するとき、一つだけ注意点を付け加えておく。大企業と国内ベンチャー企業が協業するとき、上からの目線で話を進めようとする傾向がある点だ。最近は日本国内でも世界に問える技術を開発しているベンチャー企業が増えてきた。大企業は対等の立場でオープンイノベーションを行ない、お互いの価値を高めあって新規事業の創出に努めていくべきだ。
今回の記事で提示した、オープンイノベーションのベストプラクティスを参考に、自社にはないノウハウをうまく取り入れて、再び日本企業の黄金期を迎えてほしいと心から願う。いまからでも決して遅くはない。ぜひ、前向きに検討して、その後にきちんと取り組みを進めてほしい。
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